オーストリアにあるB. F.社が、おそらく1900年代に製造したホウロウ製のトネル・ドゥ・グロワール・アルルカンカフェポです。B. F.社はフランス人の兄弟がオーストリアでホウロウ製品の製造販売を始めたのが始まりで、その後チェコスロバキアやフランスで製造するようになり社名をB. B.社と改称したようです。こちらは激レアな中央部分が高く盛り上がったフタの付いたおそらくB. F.やB. B.社の製品の中で一番大きなサイズのCafe(カフェ/コーヒー)を入れるためのポ(ポット)で、爽やかなブランシュ(ホワイト)地の本体の正面にはノワール(ブラック)の格調高いブラックレター書体のCafeのロゴがデザインされています。また、フタと本体の左右にはルージュ(レッド)のガクの中央にブルーフォンセ(ダークブルー)の丸い実を付けたTonnelle de Gloire Arlequin(トネル・ドゥ・グロワール・アルルカン/クサギ)の低木のイラストがデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、ジャバンでは葉に独特の匂いがあるので臭木(くさぎ)と呼ばれていますが、フランス語のトネル・ドゥ・グロワール・アルルカンの意味は「恵みの木陰の道化師」のようで、ブルーフォンセの実の部分が道化師の頭でルージュの尖ったガクが道化師の衣装の襟のように見えるのでこんなにオシャレな名前が付いているようです。また、英語ではHarlequin Glory Bower(ハーレクイン・グローリー・バウアー)というようですがこちらもオシャレですね。また、欧米ではトネル・ドゥ・グロワール・アルルカンの木は主に観賞用として庭に植えられているようですが、秋に実が熟すと小鳥達がやって来て全て食べ尽くしてしまうようです。また、底面にはルージュ(レッド)でB. F.社のマークとMarque Deposee(登録商標) B. Fresの表示がありますが、マークを挟むようにMarque Deposeeの表示があるものは滅多にお目にかかれなくてやはり大変珍しくて激レアですね。また、マークの王冠のイラストも大きくてとても立派な雰囲気にデザインされているのも素敵です。また、当時のフランスの家庭ではカフェがとても飲まれていたようなので一番大きなサイズのポになっていますが、1910年代の中頃からはカフェの豆の輸入が難しくなりカフェのポはシュクレ(シュガー)やファリーヌ(小麦粉)の後の三番目のサイズのポになったようです。また、カフェの代替え品として飲まれるようになったカフェインのないチコリーのポが5番目に作られるようになったようです。B. F.やB. B.社の製品の中で一番大きなサイズのカフェポは滅多に見かけることがなくやはり大変激レアですね。こちらと同じシリーズには大きなサイズからFarine(ファリーヌ/小麦粉)、Riz(リ/ライス)、Sel(セル/ソルト)、Poivre(ポワブル/ペッパー)、The(テ/紅茶)などのポもありますが、RizとSelのポは中々入手が難しいアイテムのようです。また、全部揃えるとフランスの家庭のキュイズィーヌ(キッチン)の雰囲気が漂うようで素敵で楽しいですね。キュイズィーヌの小物入れに便利ですが工夫次第でいろいろとオシャレに使えそうです。1900年代のフランスのホウロウ製品の優しさと素晴らしさを実感させてくれそうな美しい激レアな一品です。

トネル・ドゥ・グロワール・アルルカンのイラストとノワールのロゴの発色が良くとてもきれいです。写真のようにフタの取っ手とフチと下部と本体の上部のフチと底面に少しホウロウの剥がれがあります。中はホウロウの剥がれが少しありますがきれいです。その他、少しホウロウの剥がれやキズやサビや汚れなどがありますが古いものにしては状態が良くきれいで、Good Conditionです。