パリ1区のルーヴル美術館の隣のリヴォリ通り75番地で1869年にErnest Cognacq(エルネスト・コニャック)が創設したラ・サマリテーヌ百貨店が、おそらく1900年代に販売したPapeterie(パプトゥリー/文房具)が入っていた木製のキュピドン&マドモワゼル&ムッシュ・パプトゥリーボワットです。当時のパリで最も大きなラ・サマリテーヌ百貨店は2005年に閉鎖しましたが、建築家のアンリ・ソバージュとフランツ・ジュールデンが設計したアールヌーボーとアールデコ調の美しい建物は歴史的建造物として登録されているようです。こちらは超レアなおそらく栗の木などの高級な無垢材で作られたパプトゥリーが入っていたフタがヒンジで開閉するルージュブラン(レッドブラウン)のヴェルニ(ニス)塗装された四角いフォルムのボワット(ボックス)で、フタにはオール(ゴールド)のアラベスク模様の飾り罫の中にまるで18世紀のロココ時代のフラゴナールが描いた装飾的で甘美な絵画のようなローズのお花の咲いたお庭でローズのお花の入ったパニエ(バスケット)を持ってロゼ(ピンク)のローブ(ドレス)を着た美しいマドモワゼルに素敵なムッシュが愛を告白しているイラストがデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、マドモワゼルの足元には幸福を運ぶ二羽の白いピジョン(鳩)と空には三人のキュピドン(キューピッド)達がマドモワゼルに恋心を起こさせようとしている姿も素敵ですね。また、フタに貼られているクロモは高価な石版印刷で印刷されているのでイラストの発色が良くとてもきれいです。また、フタの裏側と本体の中にはロゼの化粧紙が貼られています。また、フタには白いエティケット(ラベル)が貼られていますが、大変凝ったデザインのお花のイラストの飾り罫の中にはロゼでComptoir Special de Papeterie des Grands Magasins(百貨店の文房具専用売り場) A la Samaritaine(ア・ラ・サマリテーヌ) 75, Rue de Rivoli, 75(リヴォリ通り75番地) Rues du Pont - Neuf et de la Monnaie(ポン・ヌフ通りとモネ通り) Paris(パリ)の文字がデザインされていますが、さすがにフランスのパプトゥリーボワットはデザインクオリティーが大変高いですね。また、また、本体の正面には鍵穴がありますが、残念ながら鍵は欠損しています。また、底面にはクラフト紙が貼られていますが、2F 95の数字があるので当時のこちらのボワットの価格は3フラン95サンチームだったようです。当時のラ・サマリテーヌ百貨店で販売されていたパプトゥリーはとても庶民には手の届かない高級品だったようですが、パリのブルジョワのマドモアゼルやマダム達が愛用していたようですね。フラゴナールの絵画のような甘美なイラストがエレガントでオシャレな価値ある大変素晴らしい一品です。

クロモのイラストに多少の傷みやキズがありますが発色が良くとてもきれいです。写真のようにクロモに一箇所小さな破れがあります。ロゼの化粧紙に多少の傷みや破れがありますが欠損している箇所や剥がれはなくとてもきれいです。エティケットに剥がれはなく破れもほとんどなく大変きれいです。鍵は欠損していますが、ヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開け閉めできます。底面のクラフト紙に多少の傷みや一箇所シミの汚れがあります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが欠けや割れや壊れはなく古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。