ドイツでおそらく1890年代に製作された厚紙製のロートカピヒェン・グランツビルダーです。こちらは超レアなRotkappchen(ロートカピヒェン/赤ずきんちゃん)の大きなサイズのGlanzbilder(グランツビルダー/クロモ、スクラップ)で、ブロンドハール(ブロンドヘア)にロート(レッド)のカプッツェ(頭巾)をかぶってドンケルヴラウ(ダークブルー)とグリュン(グリーン)のシュルツェクライト(エプロンドレス)を着て果物の入ったコルプ(バスケット)とおばあさんのために森で摘んできたきれいなお花を持って森の家に住んでいる病気のおばあさんに届けに行くロートカピヒェンの姿がデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、おばあさんのために摘んだきれいなお花を持っているのも可愛いですね。また、本体は全て特色を使った高価な石版印刷で刷られているので発色が良く大変きれいですが、エンボス加工もしてあるので立体的でとても凝った作りです。ロートカピヒェンのお話はフランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がキンダー(子供)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。また、グランツビルダーの始まりは1870年代頃のドイツからですが、主に手紙に貼ったりサパン・ドゥ・ノエル(クリスマスツリー)のお飾りに使われていたようです。その後、おとぎ話や妖精や動物やお花などをモチーフにしたグランツビルダーが沢山製作されるとキンダー達が夢中になって集めたようです。デカールが普及しだすとグランツビルダーは衰退していきますが、高価な特色を使った石版印刷の発色の良さとエンボス加工と細かく切り抜きされた凝った作りのグランツビルダーは何年経っても素晴らしいですね。ロートカピヒェンのあどけない表情に気持ちが癒されてしまいそうなオシャレで素敵な一品です。

イラストの発色が良く大変きれいです。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが折れや破れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。