ドイツでおそらく1890年代にビスキュイ(ビスク/磁器)と木綿の生地などで製作されたロゼローブ・フィーユシーヌ・テット・プーペです。Chine Tete Poupee(シーヌ・テット・プーペ/チャイナヘッドドール)はおそらく1830年代から1940年代頃までにドイツなどの国で製作されたプーペ(人形)で、ヨーロッパのブルジョアのマドモアゼルやマダム達の間で大変人気の高かったプーペのようです。こちらは超レアな彩色されたシュヴーブロン(ブロンドヘア)に襟ぐりと袖口にエクリュ(生成り)のドンテル(レース)飾りとタイユ(ウエスト)にヴルール(ベルベット)のロゼ(ピンク)のリュバン(リボン)が付いたロゼのおそらく光沢のあるサテンの生地のローブ(ドレス)を着たフィーユ(少女)のシーヌ・テット・プーペで、彩色されたつぶらな灰色がかったブルーの瞳と淡いルージュの口元で優しく微笑んだ表情がエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ローブの下には裾にエクリュのドンテル飾りの付いたジュポン(ペチコート)と襟ぐりと肩口にドンテル飾りの付いたシュミーズと裾にドンテル飾りの付いたキュロット(ショーツ)を履いています。また、ビスキュイ製の足には彩色されたブルーの紐を結んだブランシュ(ホワイト)のショセット(ソックス)にブラン(ブラウン)のショスュール(靴)を履いているのも素敵です。また、頭から胸までと肘から手、膝から足まではビスキュイ製で胴体と腕と脚がジョイントされています。また、その他の部分は布地で作られていておそらく中には柔らかなカポック(パンヤノキの綿毛)のようなものが詰められているようです。また、製造会社についての詳しいことは良く分かりませんが、背中にはGermanyのエンボス表示があり細部まで丁寧に作られたとても凝った作りのプーペなのでしっかりとした工房で製作されたようです。ロゼのローブを着て優しく微笑んだ美しいフィーユのプーペに見つめられているだけでどんどんとシーヌ・テット・プーペの世界へ引きずり込まれて行ってしまいそうな大変レアな可愛い価値ある一品です。

ビスキュイの頭と胸や腕や脚に多少の傷みや汚れなどありますが欠けやヒビはなくとてもきれいです。写真のように右の足のビスキュイの割れがおそらく古い時代にきれいに修理されています。ジョイント部分に壊れはありません。ローブと下着類はおそらくオリジンヌ(オリジナル)でほつれや破れはなくとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが彩色の剥がれはほとんどなくほつれや破れもなく状態が良くきれいで、Good Conditionです。