パリから北東へ200kmほど行ったベルギーとの国境に近いEtreaupont(エトレオポン)の町あるBahaut & Brisse(バウ&ブリーズ)社が、おそらく1890年代にロタン(ラタン)で製作したロタンオジェ・ピクニックパニエです。バウ&ブリーズ社は籐細工の会社としてフランスでとても有名なようです。こちらは超レアな力強いゴシック様式や優雅なロココ様式などの折衷的なナポレオン3世様式でデザインされた二つの革の持ち手の付いたヒンジでフタが開閉するブランフォンセ(ダークブラウン)に塗装されたロタンと生地製のオール(ゴールド)のラメが入ったようなブランフォンセのバンデ(テープ)のオジエ(編み込み)で製作されたおそらくピクニック用のパニエ(バスケット)で、丁寧に編み込まれたフタと本体のロタンと革の持ち手とサンテュール(ベルト)と真鍮と金属製の留め金のフランスらしい雰囲気がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、二つの革の持ち手も素敵ですが、持ち手の付け根部分にも金属製の部品が使われていてとても凝ったしっかりとした作りです。また、持ち手の部品にはBahaut & Brisse, Etreaupontのエンボスがあります。また、フタと本体の周りにはベージュの生地に銅のようなラメが入ったトレス(ブレード)飾りが付けられているのも素敵です。また、底面もしっかりとロタンで編まれています。フランス人は昔からピクニックが大好きでなので、家族でピクニックに行くときにはママンが作った美味しそうなカスクルート(サンドイッチ)やアンファン達が大好きなお菓子などを入れるのに使っていたようです。さすがに百年以上も前に作られたピクニックパニエなのでピクニックにはもう使えませんが、テディウルス(テディベア)などのぬいぐるみやプーペ(ドール)を入れるパニエなど工夫次第でいろいろと楽しく使えそうです。1890年代に製作されたこちらのようなピクニックパニエは、持ち手や留め金が壊れていたり革のサンテュールが切れて欠損したりロタンが虫に食われていたりして状態の良いものはほとんどありませんが、こちらは大切に使われていたようなので大変状態が良いようですが、こんなにきれいなピクニックパニエにはなかなかお目にかかれないですね。大変丁寧に作られた凝ったデザインのロタンオジエパニエですが、見ているだけで当時のお出かけにはしゃいでいるアンファン達の可愛い姿が想像できそうな大変作りが良くて素晴らしいロタンオジェ・ピクニックパニエです。

真鍮とメタル製の留め具に壊れはなくノブを回すとフタが開け閉めできます。持ち手と留め具の革に傷みが少なく切れもなくとてもきれいです。中は汚れがほとんどなくとてもきれいです。バンデとトレスに多少の傷みがありますがキレはなくとてもきれいです。写真のようにフタの正面から左側面にかけて二本のロタンの下部の一本が23.5センチほど欠損していますが強度には全く問題なくほとんど気になりません。本体の左下部の角にある丸く曲げられた一本のロタンが6.5センチほど欠損していますがこちらも強度には全く問題なくほとんど気になりません。虫食いの穴の跡はありません。革のヒンジに多少の傷みがありますが切れはなくしっかりとしています。その他、多少の傷みやサビや汚れなどありますが壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。