フランスでおそらく1910年代にソワ(シルク)の生地でブドワール(淑女の私室)や旅行用に作られたローズ&マルグリートブロデル・ブドワールムショワールサークです。ブドワールは貴族の婦人が書き物をしたりお化粧や着替えをするための部屋で、夫でさえ入室できない婦人専用のお部屋のことのようです。こちらは超レアな当時の貴婦人たちが舞踏会やオペラ鑑賞などに使用していたドンテル(レース)飾りなどがふんだんにされた豪華なMouchoir(ムショワール/ハンカチーフ)を数枚まとめて収納することができるベージュのソワの生地で作られたサーク(ケース)で、二つ折りになった本体の表面にはロゼ(ピンク)のローズのお花とブルーのミオゾティス(忘れな草)のお花とジョーヌ(イエロー)のオランジュ(オレンジ)のお花とブルーと淡いロゼのマルグリート(マーガレット)のお花などが大変丁寧に美しくブロデル(刺繍)されていてエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、淡いブラン(ブラウン)のリュバン(リボン)のような飾り罫の中には ブルークレール(ライトブルー)の糸でMouchoirs(ムショワール)のロゴが格調高いブラックレター書体でブロデルされているのも素敵です。また、本体には本体の周りにはベージュとヴェールフォンセ(ダークグリーン)のより紐飾りが付けられていますが、より紐飾りの四隅にはソワのベージュの可愛いリュバンが付けられています。また、中も光沢のあるベージュのソワの生地にフカフカした中綿が詰められていますが、ずれないように刺し縫いされています。おそらく当時のブルジョワのマドモアゼルやマダム達がブドワールや長旅をするときにショワールを数枚サークに挟んで旅行鞄に入れるために使われていたもののようですが、お気に入りのドンテルやナプロン(ドイリー)やリン(リネン)などの収納に使っても便利です。また、このままビスキュイプーベ(ビスクドール)などといっしょに飾ってもオシャレですが、見ているだけで当時の貴婦人達のような素敵な旅行がしてみたくなってしまいそうな大変素敵な一品です。

お花のブロデルがとてもきれいです。より紐飾りにほつれやキレはなくとてもきれいです。リュバンに少し傷みや破れがあり左上のリュバンが欠損しています。写真のように本体に小さな破れが多少あります。その他、多少の傷みや色焼けや汚れなどありますがほつれや破れがなく古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。