フランスでおそらく1910年代にフランスのジュモーやドイツのアルマン・マルセイユなどのビスキュイプーペ(ビスクドール)用にブランシュ(ホワイト)のコトン(コットン)の生地とドンテル(レース)で手作りされたブランシュコトン&ドンテル・プーぺコルセです。Corset(コルセ/コルセット)はヨーロッパでは14世紀の終わり頃から男女ともに姿勢を整えるために使用されたようですが、17世紀頃になると胸を強調する女性向けの装身具として流行しだしたようです。こちらは大変レアなビスキュイプーペ用のローブ(ドレス)の下に着るブランシュのコルセで、前身ごろの中央にはトラヴァイユ・ドゥ・デクーペ(カットワーク)の手法で作られたドンテルの穴に縦に紐が通されていますが、紐を締め付けて着用することができます。トラヴァイユ・ドゥ・デクーペの手法は織り目がつんでほつれにくい生地に刺繍をしてから内側をシゾー(ハサミ)で切り抜いてドンテル(レース)模様を作る手法のようです。また、ヨーロッパでは古くからトラヴァイユ・ドゥ・デクーペは僧服やムショワール(ハンカチーフ)やテ・ドゥ・オレイエ(枕カバー)などに使われていましたが、15世紀頃にヴェネチアで作られた精巧なトラヴァイユ・ドゥ・デクーペは宮廷服に愛用されていたようです。また、本体はトラヴァイユ・ドゥ・デクーペ手法のお花などのアラベスク模様のドンテルをつなぎ合わせて作られていてエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、肩紐はコトンのバンデ(テープ)で作られていますが、上部と下部ののフチにもトラヴァイユ・ドゥ・デクーペ手法のドンテルのリューシュ(フリル)飾りが縫い付けられているのも可愛くて素敵ですね。お気に入りのビスキュイプーペに着せたり、プーペマヌカン(ドールマネキン)に着せて飾ってもオシャレなブランシュコトン&ドンテル・プーぺコルセです。

トラヴァイユ・ドゥ・デクーペ手法のドンテルがとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますがほつれや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。