ドイツの南西部のフランスとの国境に近いストラスブールから南東に40kmほど行ったバーデンヴュルテンベルク州の西部にあるLahr (ラール)の町で1806年にDaniel Voelcker(ダニエル・ヴォルカー)が、創設したダニエル・ヴォルカー社が、おそらく1900年代に広告宣伝ように制作したほとんどデッドストックの厚紙製のロートカピヒェン・ダニエル・ヴォルカーグランツビルダーです。ナポレオン1世がトラファルガーの海戦でイギリスに敗れた報復措置として、1806年にヨーロッパ諸国に大陸封鎖を号令したためにコーヒーの輸入が困難になったのでダニエル・ヴォルカー社は、コーヒーの代替え品としてカフェインがなくビタミンや鉄分を含むほろ苦いハーブの一種の西洋トチノキの新芽のチコリーの製造を始めたようです。こちらは超激レアなグリム童話のRotkappchen(ロートカピヒェン/赤ずきんちゃん)の楽しいお話のGlanzbilder(グランツビルダー/スクラップ)で、ロート(レッド)の縁取りのある表面には森の家に住んでいる病気のおばあさんにコルプ(バスケット)に入ったクーヘン(焼き菓子)と葡萄酒を届けに行くお使いをお母さんから頼まれているロートカピヒェンのイラストがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、お母さんから「寄り道をしてはいけませんよ」と言われているロートカピヒェンを心配そうに見ている二羽の鶏と塀の上の子猫達も可愛いですね。また、裏面にはDer beste Kaffee Zusatz ist und bleibt(最高のコーヒー添加物は今もあります) Aecht Farmer Cichorien(ファーマーチコリー) Aechter Farmer Caffee (本物のファーマーコーヒー) Bester Wohlgeschmack, schonste Farbe(最高の味、最高の色) Grosste Ausgiebigkeit, sparsam im Verbrauch(最大の効果で経済的) von Daniel Voelcker(ダニエル・ヴォルカーから), Lahr in Baden(バーデンのラール) Gegrundet 1806(1806年設立) 12 Medaillen(メダル12個)と書かれているようですが、ダニエル・ヴォルカーのイラストもありとても素敵です。また、イラストは全て特色インクを使った高価な石版印刷で刷られているのでイラストの発色が良くとてもきれいです。また、ロートカピヒェンのお話はフランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がキンダー(子供)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。ドイツで大変古い歴史のあるダニエル・ヴォルカー社の超激レアな素晴らしい大変価値ある一品です。

イラストの発色が良く大変きれいです。写真のように右端の中央に横に7ミリ位の折れスジのような傷みと右下の角に斜めに6ミリ位の軽い折れスジがあります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが折れや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。