ベルギーのブリュッセルから南東へ60kmほど行ったNamur(ナミュール)郊外のSaint-Servais(サン・セルヴェ)の町にあるEtoile(エトワール)社が、おそらく1910年代に製造したホウロウ製のナルシス&ヴィオレット・ブランルージュカフェティエールです。カフェは1800年頃にフランス人のドゥ・ベロワがドリップ式のCafetiere(カフェティエール/コーヒーポット)を考案してそれまでの煮出し抽出から現在のように濾して抽出する方法が発明されカフェの風味が格段に良くなったようです。こちらは超レアなおそらくベルギーから輸入してフランスで販売されていた中央部分が高く盛り上がったフタの付いたブランルージュ(ブラウンレッド)にオール(ゴールド)のトリムが美しいカフェティエールで、取っ手のあるフタと本体には可憐なブランシュ(ホワイト)のナルシス(水仙)のお花とスミレ色のヴィオレット(スミレ)のお花が釉薬で盛り絵付けされた立体的なレリーフでデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、お花のイラストの背景にはオール色で遠くの草が描かれていて遠近感がありとても凝った作りです。また、フタのナルシスとヴィオレットのお花はまだ蕾の状態ですが、本体のお花は満開にデザインされているのも素敵ですね。また、本体の上部のフチと中は清潔感のあるブランシュでデザインされているのもオシャレです。また、底面にはエトワール社のブランシュのマークとEtoile P.E.N.などのロゴがありましたが、長年の使用からの火の熱で消えてしまったようです。また、べルギーからフランスに輸入されたエトワール社のホウロウ製品にはおそらく紙のエティケット(ラベル)が貼られていたようですが、エティケットにはフランス語でEtoile P.E.N. Fabrique par Saint-Servais(サン・セルヴェの町で製造) Importe de Belgique(ベルギーからの輸入品)と書かれていたようです。また、持ち手部分がサビて欠けていますが、中は空洞ではなくてフェール(鉄)の骨組みが入っていることを初めて知りました。煮立ったカフェを入れるカフェティエールなので安全性を考慮して持ち手部分はしっかりと作られているようです。エトワール社のホウロウ製品はお花などのイラストが釉薬で盛り絵付けされた立体的なレリーフでデザインされているものが多いので、どれもエレガントでデザインクオリティーが高くベルギーやフランスでも大変人気があり入手がとても難しくなってきています。百年以上も前に製造されたエレガントなナルシスとヴィオレットのカフェティエールはうっとりと見つめてしまいそうな美しくて大変価値ある超レアな一品です。

お花のイラスト部分にホウロウの剥がれがほとんどなく発色が良くとてもきれいです。写真のように持ち手部分にサビで欠けた部分が一箇所ありますが、持ち手はしっかりとしています。フタの取っ手とフチと下部と本体の上部と下部のフチと注ぎ口に少しホウロウの剥がれがありますが、その他はホウロウの剥がれは少なくとてもきれいです。中はカフェの汚れがほとんどなくとてもきれいで水漏れはありません。その他、多少のホウロウの剥がれやキズやサビや汚れなどがありますが状態が良くきれいで、Good Conditionです。