フランスでおそらく1900年代に木綿のチュールドンテル(チュールレース)で製作されたアネモーネブロデル・チュールドンテルムショワールです。ドンテルはヨーロッパでは16世紀の初頭にイタリアの修道院で収入を得るために編まれたのが始まりのようです。その後、ヴェネチアやフランドル地方で広まったようです。フランスではノルマンディー地方のアランソンの町で1650年代頃から制作されたアランソンレースが有名なようです。1平方センチメートル作るのに7時間という気の遠くなるような手間をかけて編まれているようですが、マリー・アントワネットも愛用していたようで現在はユネスコの無形文化財に登録されています。また、チュールドンテルはチュール(ネット状の細かい網目の生地)に柄を編んだり刺繍をしたりして作られたドンテルのことで、フランスのチュール(Tulle)の町が発祥のようです。こちらは大変レアな貴婦人達がおそらくオペラ鑑賞や舞踏会などに出かけるときに持ち歩いたブロデル(刺繍)とドンテル編みで作られたエクリュ(生成り)のMouchoir(ムショワール/ハンカチーフ)で、本体にはアネモーネ(アネモネ)のお花や花びらや葉模様などがブロデルされたチュールドンテルが縫い合わされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、18世紀の優雅なロココ調のローズのお花をイメージしたロゼ(ピンク)とヴェール(グリーン)の生地で作られた可愛いロココリュバンが四つ付けられていて大変凝った作りです。ムショワールやナプロン(ドイリー)として使ったり、額に入れて飾るとお部屋がとても華やかな雰囲気になりそうですが、工夫次第で色々と楽しくオシャレに使えそうな大変素晴らしいアネモーネブロデル・チュールドンテルムショワールです。

アネモーネなどのブロデルされたドンテルがとてもきれいです。ロゼのロココリュバンの二つに傷みがあり一つは欠損しています。その他、多少の傷みや色褪せや汚れなどありますがほつれや破れはなく古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。