フランスのディジョンに近いコート・ドール県のスミュール町のビュフォン通りにあるカフェ焙煎の専門のE. Roussin(ルッサン)というお店などが、おそらく1900年代に広告宣伝用に制作した厚紙製のル・プティシャペロンルージュ&ルー・クロモ8アンサンブルです。こちらは超レアなLe Petit Chaperon Rouge(ル・プティシャペロンルージュ/赤ずきんちゃん)のお話と楽しいイラストがデザインされたクロモ(トレーディングカード)の8枚アンサンブル(セット)で、No.1のクロモには「パリ郊外のモンルージュの町に住んでいるパティシエには素敵な子供がいました。彼女はカレンダーで見たこともないような名前のル・プティシャペロンルージュと呼ばれていました」と書かれたシーンから始まりますが、なんとNo.2の森の家に住んでいる病気のおばあさんの家にパッツ(パスタ)と鶏肉を届けて欲しいとル・プティシャペロンルージュに頼んでいるのはママンではなくてパティシエのペール(パパ)です。そしておばあさんは胃腸が弱っているので消化のいい食べ物が必要ですと書かれているようです。また、この後に悪いルー(オオカミ)に騙されてしまいますが、パニエ(バスケット)を持ってお使いにいくル・プティシャペロンルージュのあどけない優しい表情が可愛くてとてもいい感じです。また、背景には風車が描かれていますが、19世紀の終わり頃まではパリの郊外には沢山の風車がありモンマルトルの丘にも広い葡萄畑があったのでヴァン(ワイン)造りの葡萄の圧搾に使われていたようです。また、最後のNo.8のクロモにはこのお話の教訓があり「親切な人にもまれに黒い翼(悪い心)を持った人がいます。悪いことは多くの場合はあたかもロティ(ロースト肉)を食べたいと思うように行われます。悪い人を見分けるには友達のように相手をよく観察しなければなりません」と書かれているようで、教訓のあるル・プティシャペロンルージュのお話はとても珍しくてやはり超レアですね。また、裏面にはEpicerir Parisienne(パリの食料品店) Specialite de Cafes Torrefies(カフェ焙煎の専門) E. Roussin(ルッサン) Rue Buffon, a Semur(Cole-d'Or)(コート・ドール県のスミュール町のビュフォン通り)の表示があります。また、その他に裏面にManufacture de Chaussures(靴の工場) Societe Cooperative(協同組合) 18, Avenue de Clichy,18(パリのクリシー通り18番地)、Medaille Exposition Universelle 1878(1878年のパリ万国博覧会でメダルを受賞 ) Manufacture de Chicoree Extra(極上のチコリーの製造) P. Mairesse(パウル・ミレス ) Seul Fabricant a Cambrai Nord(ノール県のカンブレーの町の唯一のメーカー)、Fabrique de Parapluies(傘の工場) A. Clerget Sucr(ク​​レルジェ) 98, Rue Saint-Jean, 98(パリのサン・ジャン通り98番地)の表示のあるクロモもあります。クロモの始まりは1880年代頃のアメリカからですが、宣伝効果が高いのでたちまちヨーロッパにも広まったようです。また、野球選手のホーナス・ワグナーのタバコカードは現存数が極めて少なく、2007年のアメリカのオークションで235万ドル(約2億8千2百万円)で落札され「トレーディングカード界のモナリザ」といわれているようです。こちらもこれから価値は上がっても下がることはないようで高値がつくと嬉しいですね。ル・プティシャペロンルージュの楽しいお話のイラストがオシャレで可愛い百年以上も前に製作された大変価値ある一品です。

イラストの発色が良く大変きれいです。No.6のル・プティシャペロンルージュの顔に多少の汚れがあります。No.2とNo.3のクロモの裏面に僅かな薄紙の剥がれとほとんど気にならない折れスジが僅かにあります。No.5のクロモの裏面にほとんど気にならない折れスジが僅かにあります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが折れや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。