リヨンから北へ80kmほど行ったマシリーの町にあるFer Embal(フェールエンバール)社が、おそらく1920年代に製造したトール(ブリキ)製のルージュ&イヴォワールポワ・アリュメットボワットです。フェールエンバール社はキュイズィーヌ(キッチン)用のシュクレ(シュガー)やファリーヌ(小麦粉)のボワット(ボックス)の製造でも有名です。こちらは入手が大変難しい超レアなフタがヒンジで開閉するルージュ(レッド)にイヴォワール(アイボリー)のポワ(水玉)模様のAllumettes Boite(アリュメットボワット/マッチボックス)で、本体の正面のアールヌーヴォーのアラベスク模様の飾り罫のあるノアール(ブラック)の楕円形の中には魚眼で見たようなフォルムのイヴォワールのAllumettes(アリュメット/マッチ)のロゴがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体にはFer Embal(フェールエンバール) Massilly Sol(マシリーソル)の表示はありませんが、フェールエンバール社の古い製品には表示がないものが多いようです。また、マッチは1831年にフランス人のシャルル・サウリアが臭いの少ないマッチを発明してから一般に普及していったようですが、自然発火などの危険性があるので火に強いトールやホウロウ製のアリュメットボワットが使われていたようです。また、上部にフック穴がありますが、これはアンファン(チャイルド)の手の届かないキュイズィーヌなどの壁に掛けるためのようです。フランスでもポワ模様のアリュメットボワットは大変人気が高いので同じデザインのシュクレやファリーヌなどのボワットといっしょにフルセットで揃えるのは大変難しいようですね。さすがにフランスの製品はデザインクオリティーが高いので塗装の剥がれやサビがあってもエレガントな雰囲気は何年経ってもすたれない超レアな大変素晴らしい一品です。

ルージュとイヴォワールに少し色褪せや色焼けがありますがきれいです。中は少しサビがありますがとてもきれいです。フタのヒンジに壊れはありません。その他、少し傷みや塗装の剥がれやキズやサビや汚れなどありますが壊れはなく状態が良くきれいで、Good Conditionです。