フランスでおそらく1910年代に製作されたトール(ティン)製のルージュスリーズ・イヴォワールトールアリュメットボワットです。Allumettes(アリュメット/マッチ)は1831年にフランス人のシャルル・サウリアが臭いの少ないアリュメットを発明してから一般に普及していったようですが、当時は自然発火などの危険性が高かったので火に強いトールやホウロウ製のAllumettes Boite(アリュメットボワット/マッチボックス)が重宝されたようです。また、アンファン(チャイルド)達の手が届かないようにほとんどのアリュメットボワットは壁掛けタイプになっているようです。こちらは超レアなキュイズィーヌ(キッチン)の壁に取り付けて使用するフタがヒンジで開け閉めできるイヴォワール(アイボリー)のアリュメットボワットで、本体の正面にはポショワール(ステンシル)の技法で描かれたようなノワール(ブラック)のAllumettesのロゴがデザインされています。また、ロゴの上には枝に生ったルージュ(レッド)のCerise(スリーズ/サクランボ)のイラストがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、上部には壁に掛けるためのフック穴がありますが、やはり当時のアリュメットも危険性が高かったのでアンファン達の手の届かない壁の高い位置に掛けて使っていたようです。今ではアリュメットはほとんど使いませんが、壁に掛けて使い捨てのブリケ(ライター)やキュイズィーヌの小物などを入れておくにはとても便利ですが、植物などを飾っても素敵です。さすがにフランス製品はデザインクオリティーが高くて塗装の剥がれやサビがあってもエレガントでオシャレな雰囲気はすたれないですね。まだまだ工夫次第でいろいろと楽しくオシャレに使えそうなルージュスリーズ・イヴォワールトールアリュメットボワットです。

スリーズのイラストの発色が良くてとてもきれいです。写真のようにフタにサビがあります。中に多少の塗装の剥がれがありますが、サビはほとんどなくとてもきれいです。ヒンジに壊れはありません。その他、多少の塗装の剥がれやサビや汚れなどありますが凹みはなく状態が良くきれいで、Good Conditionです。