ベルギーとの国境に近いLille(リール)の町にあるBelle Jardiniere(ベル ・ジャルディニエール)社が、おそらく1890年代に販売促進用に製作した厚紙製のシャペロンルージュ&ルー・クロモです。ベル ・ジャルディニエール社はカフェ(コーヒー)の代用品のチコリーの製造で有名なようです。こちらは超レアなChaperon Rouge(シャペロンルージュ/赤ずきんちゃん)のクロモ(トレーディングカード)で、本体の表面には亜麻色の髪にルージュ(レッド)のシャペロン(頭巾)をかぶってブルーとロゼ(ピンク)のタブリエローブ(エプロンドレス)を着てガレット(焼き菓子)と葡萄酒の入ったパニエ(バスケット)を持って森の家に住んでいる病気のおばあさんに届けに来たシャペロンルージュですが、悪いルー(オオカミ)が変装したおばあさんの姿に驚いている姿がデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、イラストは全て特色インクを使った高価な石版印刷で刷られているのでイラストの発色が良く大変きれいです。また、本体の裏面にはA la Belle Jardiniere(ア・ラ・ベル ・ジャルディニエール) Chicoree Extra Superieure(特上のチコリー) C. Beriot a Lille(リールのベリオ) Cette Chicoree fabriquee d'apres les procedes les plus nouveaux et les plus perfecrionnes, se recommande a toutes les menageres, comme produit alimentaire hygienique et economique(最新的で最も完成度の高いプロセスで製造されたこのチコリーは、衛生的で経済的な食品として全ての主婦達に絶賛されています) La renommee de la veritable(本物の名声)などと書かれているようです。シャペロンルージュのお話はフランス人のCharles Perrault(シャルル・ペロー)が1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がアンファン(チャイルド)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。古いクロモの価値はどんどん高くなりイラストのクオリティーが高いクロモはコレクターズアイテムとなっているようですが、こちらも120年以上も前に製作されていますがこんなに発色がいいままで保存されているのが素晴らしいですね。見ているだけでシャペロンルージュのメルヘンの世界に引きずり込まれてしまいそうなとても可愛い価値ある素晴らしい一品です。

イラストの色褪せがほとんどなく発色が良く大変きれいです。写真のように本体の上部の中央に縦に13ミリ位の折れスジがありスジの中央部分に縦2ミリ横0.7ミリ位の穴が空いていますがほとんど気になりません。また、右の下部に横に6ミリ、下部の中央に縦に30ミリと6ミリ位の折れスジがあります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。