フランスでおそらく1900年代にロタン(ラタン)で製作されたブドワール・ロタンオジェ・クチュールコフレです。こちらは超レアなおそらくBoudoir(ブドワール/淑女の私室)で使われていたCouture Coffret(クチュールコフレ/裁縫箱)のようですが、ブドワールは貴族の婦人が書き物をしたりお化粧や着替えをするための部屋で、夫でさえ入室できない婦人専用のお部屋のことのようです。ロタンのオジェ(編み込み)で作られた楕円形に近いフォルムのクチュールコフレのフタはロタンのヒンジで開け閉めできます。また、フタの上部の中央にもロタンの持ち手が付けられています。また、フタと本体の正面にはおそらく真鍮製の留め金が付けられていましたが欠損しています。また、本体の両端にはロタンの輪っかの持ち手が付けられていますがとても素敵です。また、フタを開けるとフタの裏側にはルージュ(レッド)のローズのお花とブランシュ(ホワイト)やジョーヌ(イエロー)のマルグリート(マーガレット)のお花模様の木綿の生地で作られたふかふかの綿が詰められたクッサンパン(ピンクッション)が取り付けられていますが、おそらく1960年代頃にフランス人が手作りで取り付けたもののようです。また、本体の底面にも同じ生地で生地が張られていますが、オシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、クッサンパンの中央には三個のナクレ(シェルパール)が付けられているのも素敵ですが、本体の上部にはマルグリートのお花が刺繍されたブランシュのドンテル(レース)がリューシュ(フリル)飾りのように取り付けられているのも可愛いですね。とても使い勝手のいいクチュールコフレですが、クチュールコフレ以外にもBijoux Coffret(ビジューコフレ/宝石箱)として使ってもとてもいいですね。また、ミニョネットといっしょに飾っても素敵です。当時のフランスのクチュールコフレは使いやすいだけでなく装飾品のように美しくてオシャレなのでお部屋にあるだけで素敵ですね。マリー・アントワネットやポンパドール夫人達が私的な時を過ごしたロココ調のブドワールの雰囲気でエレガントでオシャレに使いたい素敵な一品です。

ロタンに欠けはほとんどなく飴色になった編み込みがとてもきれいです。真鍮の留め金が欠損しています。ヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開け閉めできます。クッサンパンとリューシュに多少の傷みがありますが破れはありません。虫食いの跡はありません。その他、多少の傷みや汚れなどありますが壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。