パリにあるJean Giraud Fils(ジャン・ジローフィス)社が、おそらく1900年代にムショワール(ハンカチーフ)用に製造したローズのエクストレ(香水)が入っていたローズ&ミュゲ・ムショワールエクストレフラコンです。ジャン・ジローフィス社は1853年にパリで父親のジャン・ジローが創設したGiraud Freres(ジローフレール/ジロー兄弟)社を1900年に息子が受け継ぎ社名をJean Giraud Fils(ジャン・ジローフィス/ジャン·ジローの息子)社と改称したようです。こちらは超レアなメタル製のオール(ゴールド)のフタの付いたガラス製のムショワール用のエクストレフラコン(パヒュームボトル)で、アールヌーヴォーの優しい曲線的な大変凝ったフォルムのエクストレフラコンの正面には、ブルーパール(ペールブルー)の縁取りのあるイヴォワール(アイボリー)のエティケット(ラベル)が貼られていますが、エティケットにはExtrait Concentre pour le Mouchoir(エクストレコンサントレ・プール・レ・ムショワール/ハンカチーフ用香水)の商品名とオールのアラベスク模様の飾り罫の中にロゼ(ピンク)のローズのお花とブランシュ(ホワイトの)ミュゲ(スズラン)のお花とブルーのミオゾティス(忘れな草)のようなお花がデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、エティケットは立体的なエンボス加工がされていて大変凝った作りです。また、フラコンの底面にはMade in Franceのエンボスがあります。おそらくフラコンの背面に貼られていたジャン・ジローフィス社のエティケットは欠損していますが、ジャン・ジローフィス社はパリとグラースにあったようです。グラースは地中海に面したカンヌから北西へ15kmほど行ったところにある町で、地中海沿いの温暖な気候で香水用の天然香料としてのラヴァンド(ラベンダー)やジャスマン(ジャスミン)などの多くの花が栽培されているようです。フランスでも人気の高いジャン・ジローフィス社の大変価値ある一品です。

エクストレは残っていません。エティケットに傷みがほとんどなく色褪せや色焼けや破れもなく発色が良くて大変きれいです。オールのフタの上部に小さな凹みが僅かにあります。背面のエティケットは欠損しています。その他、フラコンに多少の汚れなどありますが欠けやヒビはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。