ドイツでおそらく1910年代に木材と陶器と布地で製作されたプッペ(ドール)用のプッペンキュッヒェン・バンク&アイアーシュテンダーゼッツです。ヨーロッパのプッペンシュトゥーベン(ドールハウス)の歴史はとても古く、特にドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベール(家具)は製作技術が最も高かったのでとても人気があったようです。こちらは超レアなプッペのキュッヒェ(キッチン)用に無垢材で製作されてエルフェンバイン(アイボリー)に塗装されたBank(バンク/ベンチ)などのゼッツ(セット)で、三人位が座れそうな横長のバンクの左右の二つの脚はアールヌーヴォーの曲線的なフォルムでデザインされていてとても素敵です。また、大変珍しい無垢材で製作された二段のEierstander(アイアーシュテンダー/エッグスタンド)には陶器製の六個の白いEi(アイ/卵)が付属しています。また、陶器製の持ち手の付いた二つの白いKannchen(ケンヒェン/ポット)も付属していますが、本体にはドイツの中世以来の伝統的な格調高いFraktur(フラクトゥール)の書体でOel(エール/オイル)と Essig(エッスィヒ/お酢)と書かれていますが、本体の上部と下部には浮き彫り細工がデザインされていてとてもオシャレです。また、本体がアルミ製でロート(レッド)で塗装された持ち手がブリキ製のBratpfanne(ブラートプファンネ/フライパン)とロートの線が刺繍された木綿のエルフェンバインヴァイス(アイボリーホワイト)のHandtuch(ハントトゥーフ/タオル)が付属しているまも嬉しいですが、お気に入りのプッペといっしょに飾るとオシャレで可愛くてとてもいい感じです。おそらく当時のブルジョワのキンダー(子供)達のために製作されたもののようですが、職人が一つ一つ手作りで作っているようなので大変作りがいいですね。どこを見ても手抜きのない素晴らしい作りに見とれてしまいキンダーだった頃の楽しい思い出が蘇ってきそうですが、ドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベールはやはり作りがいいですね。母から娘へと代々受け継がれてきた素晴らしいプッペンキュッヒェン・バンク&アイアーシュテンダーゼッツはこれからも大切にしていきたい大変素晴らしい一品です。

バンクのエルフェンバインの塗装の剥がれが少なくとてもきれいです。アイアーシュテンダーとアイに欠けや壊れはなくとてもきれいです。エッスィヒのケンヒェンの表側の口の部分から斜め縦に15ミリ位の細いヒビがありますが、内側のヒビが3ミリ位しかない貫入のような表面のヒビなのと当たりがないので製造時のもののようです。また、その他に欠けやヒビはなく大変きれいです。ブラートプファンネとハントトゥーフにおそらく1930年代のものですが、ブラートプファンネは多少の凹みとサビがありますが壊れはなくきれいです。ハントトゥーフはほつれや破れはなく大変きれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。