フランスでおそらく1950年代に木綿の生地で作られて木製の額縁に入ったジャスマン&ヴィオレット・プチポワンデコラシオミュラールです。Petit Point(プチポワン/小さな点)は18世紀のウィーンで編み出された絵画的な表現ができる刺繍技法でゴブラン刺繍を洗練させたもののようです。ハプスブルク家のオーストリア女大公マリア・テレジアがプチポワン刺繍を好んだことからプチポワンは大流行してフランスのルイ16世の王妃となった娘のマリー・アントワネットもこよなくプチポワン刺繍を愛したようです。また、プチポワン刺繍は壁掛けなどの室内装飾や家具やタッスでナップ(テーブルクロス)やムショワール(ハンカチーフ)などに使われましたが、中でも夜会などでエレガントなプチポワン刺繍がされたポシェット(ポーチ)を持つことが当時の上流階級のマドモアゼルやマダム達の流行だったようです。こちらは大変レアなブラン(ブラウン)の木製の円形の額縁に入ったDecoration Murale(デコラシオミュラール/壁飾り)で、額縁の中にはベージュの厚手の生地にロゼ(ピンク)とブルークレール(ライトブルー)とオランジュ(オレンジ)色のジャスマン(ジャスミン)のお花とスミレ色のヴィオレット(スミレ)のお花とブランシュ(ホワイト)のローズのお花のブーケがプチポワン刺繍されていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、裏面はノワール(ブラック)の厚紙で裏打ちされていますが、上部には壁に掛けるための真鍮製の金具が取り付けられています。このままお部屋の壁に飾るだけで当時のフランスのオシャレな雰囲気が漂ってきそうな大変素敵なジャスマン&ヴィオレット・プチポワンデコラシオミュラールです。

プチポワン刺繍の発色が良くとてもきれいです。額縁に欠けや割れはなくとてもきれいです。背面のノワールの厚紙の表面の薄紙に多少の破れがあります。その他、多少の傷みや汚れなどありますがほつれや破れや壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。