フランスのリヨンの町のアルジェリ通り6番地にあるE. Nicolas(ニコラ)という家具や事務用品などを販売しているお店が、おそらく1900年代に販売促進用に制作したイヴォワール(アイボリー)やエクリュ(生成り)の木綿の糸でクロッシェ(かぎ針)編みされたドンテル(レース)やチュールドンテル(チュールレース)がコレクシオン(収集)されたファブリケ・ドゥ・ルジストル(製品見本)用のドンテル・ファブリケ・ドゥ・ルジストルアルヴァムです。Dentelle(ドンテル)はヨーロッパでは16世紀の初頭にイタリアの修道院で収入を得るために編まれたのが始まりのようです。その後、ヴェネチアやフランドル地方(ベルギーとオランダとフランスにまたがる地域)で広まったようです。フランスではノルマンディー地方のアランソンの町で1650年代頃から制作されたアランソンレースが有名なようです。1平方センチメートル作るのに7時間という気の遠くなるような手間をかけて編まれているようですが、マリー・アントワネットも愛用していたようで現在はユネスコの無形文化財に登録されています。また、チュールドンテルはチュール(ネット状の細かい網目の生地)に柄を編んだり刺繍をしたりして作られたドンテルのことで、フランスのチュール(Tulle)の町が発祥のようです。こちらは超激レアなドンテルの製品見本が沢山コレクシオンされた大変しっかりとしたノワール(ブラック)の厚紙製の表紙が付いたAlbum(アルヴァム/アルバム)で、表紙にはイヴォワールの糸で三つ葉のトレフル(クローバー)のようにクロッシェ編みされてブルーの紙に押し花のようにぴったりと貼られた本物のドンテルが貼られていてとても素敵です。また、本体の中のブルーフォンセの厚紙で作られた88ページには、合計で123個の沢山のクロッシェドンテルやチュールドンテルの製品見本が収められています。また、クロッシェドンテルにはリューシュ模様、お花やダミエ(市松)などのボーデュア(ボーダー)模様、アナナス(パイナップル)模様、トレフルや花車や扇模様などが沢山あります。また、チュールドンテルにはローズやマルグリート(マーガレット)などのお花や葉模様やリューシュ(フリル)模様などが沢山ありどれもエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、表紙の裏側にはエティケット(ラベル)が貼られていてFabrique de Registres(ファブリケ・ドゥ・ルジストル/製品見本) Fournitures de Bureaux(事務用品) E. Nicolas(ニコラ) 6, Rue d'Algerie Lyon(リヨンのアルジェリ通り6番地)の表示があります。また、こちらと同じようなドンテルのアルヴァムには、フランスの子供達がドンテルの編み方を勉強するために学校の授業で作ったものなどがありますが、こちらはお店の製品見本なので表紙の角などは布貼りがされていて作りがとてもいいようです。さすがにフランスは昔からオシャレなモード(ファッション)の国なので、こちらのようなドンテルの製品見本のアルヴァムがあるのですね。120年も前にフランスのリヨンのお店で使われていたアルヴァムの沢山のクロッシェドンテルやチュールドンテルを見ているだけでフランスのドンテルの歴史の深さと素晴らしさに驚いてしまいそうな大変貴重な価値ある一品です。

ドンテルに多少の色褪せや色焼けや汚れなどありますがほつれや破れはほとんどなくとてもきれいです。その他、アルヴァムに多少の傷みや汚れなどありますが破れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。