イギリスのリバプールから南東へ70kmほど行ったLongton(ロングトン)の町にあるDewes & Copestake(ドワーズ＆コープステイク)社が、おそらく1876年に製造した陶器製のリトルレッドライデイングフード&ウルフ・カップ&ソーサーセットです。こちらは超レアなリトルレッドライデイングフード(Little Red Riding Hood/赤ずきんちゃん)のお話の楽しいイラストがデザインされたゴールドが混ざった薄茶色のトリムが美しいカップとソーサーのセットで、カップの正面と背面には森の家に住んでいる病気のおばあさんにバスケットに入った焼き菓子と葡萄酒を届けにいく途中の道で親切そうな悪いウルフ(オオカミ)に出会ったリトルレッドライデイングフードのイラストがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ソーサーの中央にも同じリトルレッドライデイングフードのイラストがデザインされているのも可愛いですね。カップとソーサーの底面には1842年から表示が始まったイギリスの意匠登録のためのRdと書かれたRegistry Mark(レジストリーマーク)がありますが、一番上のローマ数字の4は陶磁器を表しているようです。また、1が金属で2が木で3がガラス製品のようです。また、その下の8は製造日で左下の1は登録されている数のようです。また、その右側のVは1876年のことのようです。また、一番下のRは製造月で8月のことのようです。つまりレジストリーマークからこちらの製品は1876年の8月8日に製造された陶磁器で登録数は1品ということが分かります。また、カップにはドワーズ＆コープステイク社のD. C.のイニシャル、ソーサーにはD. C. L.と174 Tの表示があります。また、こちらと全く同じ製品が同じ年の同じ日にロングトンの隣町で1833年にJonah Read(ジョナ・リード)とJoseph Clementson(ジョセフ・クレーメンソン)が創設したRead & Clementson(リード&クレメンソン)社でも製造されていますが、レジストリーマークは同じで社名の表示はR & Cとなっているようです。おそらくドワーズ＆コープステイク社とリード&クレメンソン社は共同でこちらのリトルレッドライデイングフードの磁器製品を製造していたようですが、どちらの製品も大変珍しく超レアですね。リトルレッドライデイングフードのお話は、フランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がチャイルド達のために可愛くリメイクして有名になったようです。今から145年も前に製造された可愛いリトルレッドライデイングフードの超レアな大変貴重な一品です。

写真のようにイラストの発色が良く大変きれいです。カツプの左側面に縦に57ミリ位のヘアラインのヒビが1本ありカップの上部のフチの内側に縦1ミリ横2ミリ位の小さな浅い欠けが一箇所ありますが、水漏れはありません。ソーサーの底面に縦2ミリ横4ミリ位の小さな欠けが一箇所あります。カップの底面の薄茶色の汚れのように見えるものは釉薬の下の磁器の変色です。その他、多少の傷みや汚れなどありますが欠けやヒビはなく古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。