フランスでおそらく1890年代に製作されたクレイヨン(鉛筆)付きの真鍮製のヴィオレット・カルネ・ドゥ・バルです。こちらは超レアな貴婦人達が舞踏会用のローブ(ドレス)のChatelaine(シャトレーヌ)に付けていたCarnet de Bal(カルネ・ドゥ・バル/舞踏会用の手帳)のようですが、シャトレーヌは、18世紀のフランスのブルジョワの婦人達の間で流行したローブのタイユ(ウエスト)の紐やサンテュール(ベルト)などに掛けるクロシェ(フック)が付いた鎖の装飾品で、鎖には懐中時計やポシェットや鍵などが付けられていましたが、19世紀には庶民の間にも広がり小さなシゾー(ハサミ)や指ぬきや鏡などのが付けられたようです。オール(ゴールド)のような色合いの本体の上部にはシャトレーヌに付けるための真鍮の輪っかがあります。また、本体の右側にの表紙と裏表紙には専用のクレイヨンを差し込む穴がありますが、本体にクレイヨンを差し込むとカルネ(手帳)に鍵が掛かり使用することはできなくなります。また、クレイヨンを穴から抜くとヒンジで開閉する表紙が自動的に開き使用することができるようになっていてとても凝った作りです。また、本体の表紙には可憐なヴィオレット(スミレ)のお花と裏表紙には豪華なクリザンテーム(キク)のお花がルリエフ(レリーフ)でデザインされていてエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ヴィオレットの葉は葉脈までも表現されていて大変デザインクオリティーの高いルリエフです。また、一世紀以上も前から使われてきたカルネ・ドゥ・バルなのでクレイヨンと中の用紙は取り換えられていますが、まだまだ十分に使えるのが嬉しいですね。フランスの貴婦人達が舞踏会で使っていた大変オシャレな一品です。

ヴィオレットのお花とクリザンテームのお花のルリエフがとてもきれいです。クレイヨンと中の用紙は取り換えられていますが破れはなくほとんど未使用で大変きれいです。その他、多少の傷みやキズや汚れなどありますがサビはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。