オランダのドルドレヒトの町で1824年にJacobus Bekkers(ヤコブス・ベッカース)が創設したベッカース社が、おそらく1920年代に製造したトール(ティン)製のシャ&シャトン・ビスキュイボワットです。ベッカース社は小さなブリキ工房として設立されましたが、1862年にはロンドンの万国博覧会に展示されるほどのブリキ会社になったようです。こちらは超レアなおそらくフランスのビスキュイ(ビスケット)会社が、ビスキュイを入れて販売するために使っていたヒンジでフタが開閉するセリュール(錠前)とクレ(鍵)が付いた四角いフォルムのBiscuits Boite(ビスキュイボワット/ビスケットボックス)で、フタと本体のフチにはノワール(ブラック)にキラキラと光るオール(ゴールド)でアラベスク模様がデザインされていてとても素敵です。また、フタにはブドワール(淑女の私室)のブルークレール(水色)のクッサン(クッション)に寝そべったママンシャ(お母さん猫)のお腹の上に乗っている二匹のシャトン(子猫)とママンシャを見つめているシャトンのイラストがデザインされています。また、本体の正面と背面には絨毯の中に潜って楽しそうに遊んでいる三匹のシャトンを見つめているママンシャ、両側面にはクチュールボワット(裁縫箱)などを悪戯している三匹のシャトンを見つめているママンシャのイラストがデザインされていてまるで絵画のようでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体のフチにはBekkers(ベッカース)やBlikfabriken(ブリキ工場)やAmsterdam(アムステルダム)とDordrecht(ドルドレヒト)の表示があります。また、底面には四つの脚も付けられていてとても凝った作りです。また、セリュールとクレが付いているので、ビスキュイを食べた後はアンファン(子供)達のビジューコフレ(宝石箱)になっていたのかも知れませんが、クレが欠損しないてで付属しているものは大変珍しくてやはり超レアですね。大きなビスキュイボワットなので小物の収納にとても便利ですが、可愛いシャトン達のイラストを見ているだけでビスキュイと暖かいテ(紅茶)が欲しくなってしまいそうな大変可愛い一品です。

シャとシャトンのイラストに多少の色焼けがありますが発色が良くとてもきれいです。ヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開け閉めできます。中はサビが少なくとてもきれいです。セリュール(錠前)は機能しますがクレ(鍵)をかけるには多少のコツが要ります。その他、多少の傷みや塗装の剥がれやキズや凹みや汚れなどありますがサビはほとんどなくとても状態が良く、Good Conditionです。