パリのサントノレ通りで1862年代にアルマン・ロジェとシャルル・ガレが創設したRoger & Gallet(ロジェ & ガレ)社が、おそらく1950年代に製造したパルファンフラコン(香水瓶)が入っていた厚紙製のロジェ & ガレ・パルファンボワットです。ロジェ & ガレ社の高級で素晴らしいパルファン(香水)は自然で純粋な香りが特徴でヨーロッパの王侯貴族やパリジェンヌ達に愛されてきたようです。また、ロジェ & ガレ社のパルファンは1889年と1900年のパリ万国博覧会のコンペティション部門でグランプリを受賞しているようです。こちらは超レアなフタの付いた円錐形のフォルムのイヴォワール(アイボリー)地にオール(ゴールド)のトリムが美しいParfum Boite(パルファンボワット/香水箱)で、フタにはルージュフォンセ(ダークレッド)の帯にオールのアラベスク模様の飾り罫の中にルージュフォンセでRoger & Gallet Paris(パリ)のロゴがデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、ルージュフォンセのロゴとオールの飾り罫は立体的なエンボス加工がしてありとても凝った作りです。また、フタと本体にはお屋敷で楽しそうにお酒を飲んでいる貴族のマドモアゼルとムッシュ達、木に生った実をパニエ(バスケット)に収穫しているマドモアゼ達、水汲み場で水筒に水を入れているマドモアゼルとアーヌ(ロバ)に水を飲ませているムッシュ、帆船から荷下ろしをしている人々を見ている貴族のムッシュ、町の酒場へ馬に乗っていくムッシュ、パリのヴァンドーム広場を散歩する貴族のマドモアゼとムッシュ、糸杉と水道橋が見える風景、凱旋門の広場で話し合っている貴族のムッシュ達のイラストがオールでまるでトワル・ド・ジュイ(西洋更紗)の生地のようにデザインされているのもデザインクオリティーが高くてオシャレです。また、本体にはルージュオール(レッドゴールド)の紐が取り付けられていますが、紐には長さ調節用の高価な銅製の金具が取り付けられています。また、底面にはFougere(フジェール/シダ)の表示があるので、エルブ(ハーブ)のような清潔感と渋みで引き締まった香りのフジェールのパルファンフラコンが入っていたようです。ロジェ & ガレ社のパルファンボワットは超激レアでフランスでも大変入手が困難になってきていますが、やはりフランスの製品はデザインクオリティーが高いので納得してしまいますね。当時のパリのブルジョワのマドモアゼルやマダム達が愛用していたエレガントでオシャレな大変価値ある素晴らしい一品です。

イラストの発色が良くとてもきれいです。写真のように底面に僅かな化粧紙の破れが一箇所あります。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが剥がれや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。