フランスでおそらく1930年代に製造されたトール(ティン)製のルージュスリーズ・イヴォワールトールセルボワットです。こちらは大変珍しい超レアなヒンジで開閉するフタの付いたイヴォワール(アイボリー)の四角いキュイズィーヌ(キッチン)用のSel(セル/ソルト)を入れるために作られたボワット(ボックス)で、本体の正面にはポショワール(ステンシル)の技法で描かれたようなノワール(ブラック)のSelのロゴがデザインされています。また、ロゴの上には枝に生ったルージュ(レッド)のCerise(スリーズ/サクランボ)のイラストがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体の上部は歪みを抑えるためのエンボスの菱形模様とアールヌーヴォーの曲線的なデザインの両端に壁掛け用のクロシェ(フック)穴がありますが、フランス料理はセルを頻繁に使うため片手で取りやすいようにセルボワットはほとんど壁に掛けて使われていたようです。また、本体の中はセルがサビなどで汚れないように無垢材の木箱が入れられています。こちらと同じシリーズにはSucre(シュクレ/シュガー)、Farine(ファリーヌ/小麦粉)、Cafe(カフェ/コーヒー)、Pates(パッツ/パスタ)、Chicoree(チコリー)、Poivre(ポワブル/ペッパー)やAllumettes Boite(アリュメットボワット/マッチボックス)などもあるようなので全部揃えると古い時代のフランスの家庭のキュイズィーヌの雰囲気が漂うようで素敵で楽しいですね。セルボワットはセルを入れていたのでサビやすくフタや留め金のないものやサビで底に穴が空いているものなどコンディションの良いものは少ないですが、こちらは驚くほどきれいなので大切に保存されていたようです。さすがにフランス製品はデザインクオリティーが高いのでキュイズィーヌなどの小物入れに使うとオシャレで便利ですね。こんなに状態の良い美品のセルボワットには中々お目にかかれないような超レアなルージュスリーズ・イヴォワールトールセルボワットです。

スリーズのイラストの発色が良くてとてもきれいです。木箱を本体の中に入れてからフタが取り付けられているため木箱は元から取り出すことはできません。木箱の底面に古い時代の3個の小さな虫食いの穴がありますが、欠けや割れはなくとてもきれいです。その他、僅かな塗装の剥がれやキズや汚れなどありますがサビはなく凹みもほとんどなく美品で大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。