フランスのパリ郊外のモントルイユの町にあるMeolie & Cie(ミューリィ社)が、おそらく1910年代に製造したElah(エラ)という商品名のカラメルクレーム(クリームキャラメル)が入っていたトール(ブリキ)製のル・プティシャペロンルージュ・エラカラメルパニエです。こちらは超レアなLe Petit Chaperon Rouge(ル・プティシャペロンルージュ/赤ずきんちゃん)の楽しいお話がデザインされたブルーヴェール(ブルーグリーン)のパニエ(バスケット)で、イラストの周りにはアールヌーヴォーのオール(ゴールド)の飾り罫が素敵にデザインされていてとても凝った作りです。また、イラストの中には短いお話が書かれていて左側面の「このガトー(ライ麦パン)とポ(ポット)を急いでおばあさんに届けてね」とママンがシャペロンルージュにお使いを頼む場面から始まります。また、フタには森で出会った親切そうな悪いルー(オオカミ)にきれいなお花が咲いている場所を教えてもらっているシャペロンルージュ、正面にはシャペロンルージュがお花を摘んでいる間に先回りしておばあさんの森の家へ行く悪いルー、右側面には病気のおばあさんを食べようとしている悪いルー、背面にはおばあさんに変装してリ(ベッド)で寝ている悪いルーに優しそうに話しかけているシャペロンルージュのイラストとお話がデザインされていてクオリティーが高くてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、フタの裏には、Elah(エラ) Societe Francaise(フランスの会社) Meolie & Cie(ミューリィ社) Usines(工場) 283, Rue de Rosny, Montreuil(モントルイユの町のロニー通り283) 17, Rue de Moulin, Vincennes(Seine)(セーヌ県のバンセンヌ町のムーラン通り17) Des Caramels et Toffees(カラメルとトフィー) Made in France Caramel a la Creme(カラメル・ア・ラ・クレーム)のロゴと文字とカラメルクレームを食べている可愛いフィーユ(少女)がデザインされたエティケット(ラベル)が貼られていたようですが欠損しています。シャペロンルージュのお話はフランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がアンファン(チャイルド)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。おそらくこの当時のトールパニエに入ったカラメルやビスキュイは高級品でなかなか庶民が簡単に買えるものではなかったようですが、あまりにもデザインが可愛くて素晴らしいので食べた後も大切に保存されていたようですが、こんなにイラストの状態の良いものは大変珍しくてやはり超レアですね。見ているだけで当時のフランスのアンファン達がカラメルやビスキュイを食べながらママンから「ル・プティシャペロンルージュ」のお話を聞いている可愛い姿が想像できそうな大変価値ある超レアな一品です。

イラストに色褪せが少なく発色が良く大変きれいです。ヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開閉してフタと本体に亀裂はありません。写真のように本体の背面の右の下部に多少の凹みがあります。フタの裏側に貼られていたエティケットは欠損しています。その他、多少の塗装の剥がれやキズや汚れなどありますがサビは少なく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。