フランスでおそらく1890年代にロタン(ラタン)で製作されたロタンオジェ・ピクニックパニエです。こちらは超レアな二つの革の持ち手の付いたヒンジでフタが開閉するブランフォンセ(ダークブラウン)に塗装されたロタンのオジエ(編み込み)で製作されたおそらくピクニック用のパニエ(バスケット)で、二つのフタは上部の中央で前後に開け閉めできます。また、丁寧に編み込まれたフタと本体のロタンと革の持ち手とサンテュール(ベルト)とアールヌーヴォーの真鍮製の留め金のフランスらしい雰囲気がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、二つの革の持ち手も素敵ですが、持ち手の付け根部分にも真鍮の部品が使われていてとても凝ったしっかりとした作りです。また、底面もしっかりとロタンで編まれていますが、使い込まれてブランフォンセの塗装が少し剥げている雰囲気も素敵です。フランス人は昔からピクニックが大好きでなので、家族でピクニックに行くときにはママンが作った美味しそうなカスクルート(サンドイッチ)やアンファン達が大好きなお菓子などを入れるのに使っていたようです。さすがに百年以上も前に作られたピクニックパニエなのでピクニックにはもう使えませんが、テディウルス(テディベア)などのぬいぐるみやプーペ(ドール)を入れるパニエなど工夫次第でいろいろと楽しく使えそうです。1890年代に製作されたこちらのようなピクニックパニエは、持ち手や留め金が壊れていたり革のサンテュールが切れて欠損したりロタンが虫に食われていたりして状態の良いものはほとんどありませんが、こちらは大切に使われていたようなので少し傷みがありますがとても状態が良いようです。とても丁寧に作られた凝ったデザインのロタンオジエパニエですが、見ているだけで当時のお出かけにはしゃいでいるアンファン達の可愛い姿が想像できそうな大変作りが良くて素晴らしいロタンオジェ・ピクニックパニエです。

ロタンに多少の傷みがありますが欠けや折れは少なくとてもきれいです。真鍮の留め具に壊れはなくノブを回すとフタが開け閉めできます。持ち手と留め具の革に少し傷みがありますが切れはなくきれいです。写真のように背面のフタの左端のロタンが三列ほど欠損しています。持ち手の付け根の二箇所の真鍮部分の割れが古い時代にハンダで修理されています。虫食いの穴の跡はありません。背面のフタの革のサンテュールの下にはロタンのヒンジが二箇所取り付けられていますが、手前のフタにはロタンのヒンジはありません。これは物が取り出しやすいように元からないのか、または欠損してしまったのかは良く分かりません。その他、多少の傷みや汚れなどありますが壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。