マルセーユから西へ150kmほど行ったToulouse(トゥールーズ)の町でおそらく1930年代にViolettes(ヴィオレット/スミレ)の花のを販売するために製造された厚紙製のヴィオレット・ドゥ・トゥールーズフルール・ボワットです。1850年代頃からトゥールーズの町ではヴィオレットの花の栽培が協同組合ができるほど盛んになりパリ、ロンドン、ウィーン、ブダペストそしてモスクワまで列車で配送していたようです。こちらは超レアなトゥールーズの町のストラスブール大通りの売店でヴィオレットの花を販売するために使われていた厚紙製のスミレ色のリュバン(リボン)が付いたスミレ色の円柱形のボワット(ボックス)で、フタにはde la Violette de Toulouse(トゥールーズのヴィオレットのお花), 288 Route de Fronton(フロントン通り288番地) Telephone 62.30.73, Cooperative des Producteurs(共同生産者) Kiosque de Vente : Boul de Strasbourg(売店：ストラスブール大通り) Telephone 22.10.69と書かれていて配送先の欄を入れないでデザインされているのがとても珍しいですね。また、本体にはToulouse des Violettes(ヴィオレットのお花のトゥールーズ)のロゴとヴィオレットのお花のイラストがデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、背面にはクローネ(王冠)のイラストとおそらくシャルル6世の弟のルイ・ドルレアンによって14世紀の終わりに建てられたLe Donjon(ル・ドンジョン)のシャトーのイラストがデザインされているのも素敵です。また、ボワットを製作したのはトゥールーズのサン・ローム通り5番地にあるモーラ社のようで本体には、Cart. (段ボール) Mora(モーラ) Toulouseと書かれています。ドンテル(レース)などの収納にとても便利ですが工夫次第でいろいろとオシャレに楽しく使えそうな大変素晴らしい一品です。

ヴィオレットのお花のイラストに色褪せは少なくとてもきれいです。リュバンに多少の色褪せがありますが切れはなくとてもきれいです。写真のように本体の内側の留め具の針金部分に指が傷つかないように古い時代にバンデ(テープ)が貼られていた糊の変色した跡がありますが、全てバンデの跡だけで糊のべたつきなどはありません。その他、少し傷みや汚れがありますが破れはなく古い紙物にしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。