ドイツでおそらく1920年代にプーペ(ドール)ように製作されたBesen(ベーゼン/ホウキ)と2本のBürste(ビュルステ/ブラシ) 付きの木製のロートローゼ・プッペンキュッヒェシュランクです。ヨーロッパのプッペンシュトゥーベン(ドールハウス)の歴史はとても古く、特にドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベール(家具)は製作技術が最も高かったのでとても人気があったようです。こちらは超レアなプッペ用のおそらく栗などの良質な無垢材で製作されてブラウンのラック(ニス)塗装されたKleiderschrank(クライダーシュランク/ワードロープ)で、背の高い本体の向かって右側にはドンケルブラウン(ダークブラウン)の丸い木製の取っ手のある縦長の扉がありますが、扉の上部には四角い窓があり窓には今では珍しいまるで水面のような涼しげな模様ガラスが入れられていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、扉を開けると上部には小物を置く一段の棚があります。また、棚の下にはクライト(ドレス)やマンテル(コート)を掛けるための木製のハーケン(フック)が２個取り付けられているのも便利ですね。また、本体の上部の向かって左側の縦長の扉を開けると三段の棚があり畳んだ衣服の整理にとても使い勝手が良さそうです。また、扉の下部には縦にドンケルブラウンの丸い木製の取っ手のある4個の引き出しがあり小物の収納にとても便利に使えそうです。また、本体には木製のベーゼンと2本のビュルステが付属していますが、ベーゼンは日本の箒のようにほうき草で作られているようでとても凝った作りです。また、小さなビュルステの毛はおそらく豚毛のようですが、当時のドイツでは石畳でない道も多かったので家に帰ったらマンテルなどの土埃をこちらのビュルステで払うのに使ったようです。また、柄の長いビュルステも毛はおそらく豚毛のようですが、床のお掃除用です。また、向かって右側の扉は8枚の板で作られていますが、写真のように中央の縦長の二枚の板は装飾的に斜めに切られて取り付けられていて大変凝った作りです。また、本体の底面の4個の脚は後方は四角い板ですが、前方は丸くシュピューレ・ドレーエン(ボビンターン)加工がしてありとても素敵ですね。おそらく当時の玩具職人がブルジョワのキンダー(子供)達のために特注で製作したもののようですが、さすがにドイツの製品は作りが大変いいですね。百年も前に作られたプッペンクライダーシュランクですが、板の反りはなく虫食いの跡もないことに驚いてしまいますが、きっととても大切に保存されていたようです。こんなに可愛いプッペンクライダーシュランクを見ているとキンダーだった頃の楽しい思い出が蘇ってきそうです。母から娘へと代々受け継がれてきた可愛いプッペンクライダーシュランクはこれからも大切にしていきたい大変価値ある素晴らしい一品です。

ブラウンのラック塗装の発色が良く板の状態も良くとてもきれいです。窓のガラスに欠けやヒビはありません。無垢材で作られていますが板の反りはなく扉と引き出しはスムーズに開け閉めできます。本体の中や引き出しの中も汚れはほとんどなく大変きれいです。虫食いの跡はありません。その他、多少の傷みや塗装の剥がれや汚れなどありますが欠けや割れや壊れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。