北フランスのベルギーとの国境に近いGravelines(グラヴリーヌ)の町で1887年に創設されたLa Concorde(ラ・コンコルド)社が、おそらく1930年代に製造した陶器製のロぜクリザンテーム・メゾン・ドゥ・ジュースピエールです。こちらは大変レアなアンファン(子供)達のメゾン・ドゥ・ジュー(おままごと)用に作られたブランシュ(ホワイト)のSoupiere(スービエール/スープ鉢)で、まるでキノコのような放射状のロゼ(ピンク)のリーニュ(ライン)のある取っ手の付いた楕円形のフタにはロゼのクリザンテーム(菊)とブルーファンテジー(ブルーファンタジア)のお花がデザインされています。また、本体は角が丸い菱形のアシェット(お皿)の上に楕円形のフォルムの持ち手のあるボル(ボウル)が置かれて一体となっていますが、本体にはロゼのペルヴォンシュ(フェアリースター)とロゼのクリザンテームとブルーファンテジーのお花がデザインされています。また、下部のアシェットにはブルーのヴォリュビリス(朝顔)とロゼのクリザンテームとブルーファンテジーのお花もデザインされていてどれもエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体の正面と背面にはラ・コンコルド社のマークがあり上部にアール・ヌーヴォーのアラベスク模様の飾り罫のあるサンテュール(ベルト)の丸い枠の中にはLa Concorde(ラ・コンコルド)と書かれています。また、その下にあるブルーのリュバン(リボン)飾りの中にはGravelines(グラヴリーヌ)の表示があります。また、枠の中には射的のまとと交差した二丁の銃と握手する手と1887のイラストと数字がデザインされています。また、フタの片方には陶器のキュイエール(スプーン)を入れるための穴があるのもいいですね。また、本体の両端にあるロゼのリーニュでデザインされた持ち手も可愛いです。アンファン達の陶器は、アンファン達がメゾン・ドゥ・ジューで遊ぶので欠けたりヒビがあるのもが多いですが、こちらのように状態の良いものはとても珍しく大切に保存されていたようです。このまま飾るととても可愛くて素敵ですが、見ているだけで当時のフランスのブルジョワの家のアンファン達がおままごと遊びをしている姿が想像できそうな大変可愛い一品です。

お花のイラストの発色が良く大変きれいです。写真のように本体の底面に小さな5ミリ位の小さなヒビがありますが、当たりがないのでおそらく製造時のもののようです。フタの裏側の釉薬がかかっていない部分に少し汚れがあります。中は汚れがなく大変きれいです。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが欠けやヒビはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。