フランスで1806年にフレデリック・ジャピーの息子達が創設したJapy Freres(ジャピーフレール)社が、おそらく1910年代から1920年代の初め頃に製造したエマイユ(ホウロウ)製のロゼ&オールエマイユ・セルボワットです。ジャピーフレール社はフランスでオルロージュ(時計)の製造で有名な父親のフレデリック・ジャピーから事業を受け継いだ三人の息子達の会社でカフェムーラン(コーヒーミル)、マシーヌ・エクリール(タイプライター)、ホウロウ製品、事務機器の製造で有名ですがフレールは兄弟という意味のようです。こちらは超レアなキュイズィーヌ(キッチン)用のヒンジで開閉するフタの付いたSel(セル/ソルト)を入れるために作られたボワット(ボックス)で、フタと本体にはキラキラと美しく光るオール(ゴールド)のトリムがデザインされています。また、本体の正面にはオール色の格調高いブラックレター書体でSelと書かれていてデザインクオリティーが高くてオシャレでとてもいい感じです。また、本体の中央部分は持ちやすいように縦のストライプのような膨らみを持たせてあるのもオシャレですね。また、ローズやパンセ(パンジー)などの華やかで美しいお花のイラストはありませんが、シンプルなデザインが逆にロゼとオール色の美しい色合いを互いに引き立てているようでとても可愛いですね。また、フタを開けやすいように丸く作られていますが、片手でフタを開けるときに使いやすいだけでなくデザインクオリティーも高いですね。また、上部にはクロシェ(フック)穴がありますが、フランス料理はセルを頻繁に使うため片手で取りやすいようにセルボワットはほとんど壁に掛けて使われていたようです。また、セルボワットはセルを入れていたのでサビやすくフタや留め金のないものやサビで本体の底に穴があいたりとコンディションの良いものはとても少ないようです。こちらと同じシリーズにはSucre(シュクレ/シュガー)、Farine(ファリーヌ/小粉)、Cafe(カフェ/コーヒー)、Chicoree(チコリー)、Pates(パッツ/パスタ)、The(テ/紅茶)、Epices(エピス/スパイス)などのポ(ポット)やピシェ(ピッチャー)などもあるので全て揃えると楽しいですね。パリのアパルトマンのキュイズィーヌ(キッチン)のようにオシャレに使いたいセルボワットですが、キュイズィーヌ以外でも工夫次第で色々と楽しく飾りながら小物の収納に使えそうなロゼ&オールエマイユ・パッツポです。

ロゼとオールのトリムの発色が良く光が当たるとキラキラと輝いてとてもきれいです。フタと本体のフチと中の多少ののホウロウの剥がれた部分にサビ止め用のロゼの塗料がとてもきれいに塗られています。ヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開け閉めできます。その他、多少の傷みやキズや汚れなどありますがサビは少なくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。