ドイツでおそらく1890年代に製作された厚紙製のロートカピヒェン&ヴォルフ・グランツビルダー9ゼッツです。こちらは超激レアなグリム童話のRotkappchen(ロートカピヒェン/赤ずきんちゃん)の楽しいお話のGlanzbilder(グランツビルダー/スクラップ)の9枚ゼッツ(セット)で、左上のグランツビルダーから森の家に住んでいる病気のおばあさんにコルプ(バスケット)に入ったクーヘン(焼き菓子)と葡萄酒を届けに行くお使いをお母さんから頼まれているロートカピヒェン、途中の森の道で親切そうな悪いヴォルフ(オオカミ)に出会ったロートカピヒェン、先回りしておばあさんの家に行く悪いヴォルフ、病気のおばあさんを食べようとしている悪いヴォルフ、悪いヴォルフがおばあさんに変装しているとは知らないでおばあさんの家にやって来たロートカピヒェン、おばあさんとロートカピヒェンを食べて大いびきをかいて寝ている悪いヴォルフを見つけた猟師、ヴォルフのお腹から猟師に助け出された後にヴォルフのお腹に詰めるための石を持って来たおばあさんとロートカピヒェン、喉が渇いて水を飲もうとして川に落ちた悪いヴォルフ、クーヘンと葡萄酒を美味しそうに食べているおばあさんと猟師とロートカピヒェンなど全てのお話のグランツビルダーがゼッツになっていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、小さなグランツビルダーなのに全てイラストの中にお話が書かれていてとても素敵ですね。また、一番目のグランツビルダーにはGrofsmutterlein ist alt und krank(おばあさんは年老いて病気です) Rotkappchen bringt ihr Speis und Trank(赤ずきんちゃんが食べ物と飲み物を持ってきます)、二番目のグランツビルダーにはVergnugt geht's durch den Wald dahin(楽しそうに森の中を歩いていると) Da naht der Wolf mit argem sinn(オオカミが悪い企みを持って近づいてきます)と書かれているようです。また、エンボス加工もしてあるので立体的でとても凝った作りです。また、イラストは全て特色インクを使った高価な石版印刷で刷られているのでイラストの発色が良くとてもきれいです。また、ロートカピヒェンのお話はフランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がキンダー(子供)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。また、グランツビルダーの始まりは1870年代頃のドイツからですが、主に手紙に貼ったりヴァイナハツバウム(クリスマスツリー)のお飾りに使われていたようです。その後、おとぎ話や妖精や動物やお花などをモチーフにしたグランツビルダーが沢山製作されるとキンダー(子供)達が夢中になって集めたようですが、特色の石版印刷の発色の良さとエンボス加工された凝った作りは何年経っても素晴らしいですね。グランツビルダーを見ているだけでロートカピヒェンの可愛い世界にどんどんと引きずり込まれてしまいそうな大変価値ある一品です。

イラストの色褪せがほとんどなく発色が良く大変きれいです。裏面に貼られていた台紙から剥がされたときの薄紙が残っています。その他、多少の傷みや汚れなどありますが折れや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。