ドイツで1839年に創設されたSimon & Halbig(シモン&ハルビッヒ)社が、おそらく1890年代にビスキュイ(ビスク/磁器)とコンポジションで製作したシモン&ハルビッヒ・ジュンヌフィーユビスキュイプーペです。シモン&ハルビッヒ社はチェコとの国境に近いテューリンゲン州のGrafenhain(グレフェンハイン)とHidburghausen(ヒルトブルクハウゼン)の町にある磁器工場で1869年から人形を製作をしていたようですが、1902年からは同じテューリンゲン州のWaltershausen(ヴァルタースハウゼン)の町にあるケマー&ラインハルト社と提携をして人形を製作していたようです。シモン&ハルビッヒ社が製作した磁器の頭にケマー&ラインハルト社がコンポジションの体を製作して組み立てていたようです。ビスキュイプーペ(ビスクドール)は19世紀のヨーロッパのブルジョアのマドモアゼルやマダム達の間で流行った人形で、フランス語のBiscuit(ビスキュイ)はお菓子のビスケットと同じように「二度焼き」が語源のようです。こちらは超レアなモヘアのおそらくオリジンヌ(オリジナル)のとても美しい亜麻色の髪のジュンヌフィーユ(少女)のビスキュイプーペで、ガラス製のつぶらな美しいブルーグリ(ブルーグレー)の瞳と歯並びが美しいルージュの口元で優しく微笑んだ表情が可愛くてとてもいい感じです。また、足には彩色されたブランシュ(ホワイト)のショセット(ソックス)にブランクレア(ライトブラウン)のショシュール(シューズ)を履いているのも可愛いですね。また、ショシュールの留ブトン(ボタン)も立体的に作られて彩色されていてとても作りがいいですね。また、寝かせてあげると瞼を閉じますが、小さなビスキュイプーペなのにとても凝った作りで嬉しくなってしまいます。頭はビスキュイ製で胴体と腕と脚はコンポジション(おがくずや粘土などをニカワなどで混ぜ合わせて型抜きしたもの)で作られたクオリティーの高いプーペですが、頭と胴体と腕と脚がジョイントされていているので色々なポーズが楽しめるのがいいですね。また、後頭部には1078 Simon & Halbig S & H 3/0のエンボスがあります。シモン&ハルビッヒ社のビスキュイプーペは欧米でも大変人気がありますが高価なものが多いのでなかなか入手することは難しいようです。こんなに美しいお顔のジュンヌフィーユビスキュイプーペに見つめられているだけでどんどんとビスキュイプーペの世界へ引きずり込まれて行ってしまいそうな超レアな素晴らしい一品です。

ビスキュイの頭にヒビや欠けはなく大変きれいです。瞳にキズはなくとてもきれいで目はスムーズに開閉します。コンポジションの体に長年の使用から僅かな彩色の剥がれがありますがヒビや欠けはなく指の欠けもなくとてもきれいです。亜麻色の髪はおそらくオリジナルで劣化が少なくとてもきれいです。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが壊れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。