パリから南西へ200kmほど行ったル・マンの町でCharles Besnier(シャルル・ベニエ)が1825年に創設したChocolat Besnier(ショコラ・ベニエ)社が、おそらく1890年代に販売促進用に製作した厚紙製のシャペロンルージュ&ルークロモです。食料雑貨店の店主だったシャルル・ベニエは、お客さんに美味しいショコラ(チョコレート)を食べてもらいたいとの思いからショコラの工場を建てたようです。こちらは超レアなChaperon Rouge(シャペロンルージュ/赤ずきんちゃん)のクロモ(スクラップ)で、デコピー(ダイカット)された本体の表面には、シュヴーブロン(ブロンドヘア)にルージュ(レッド)のシャペロン(頭巾)をかぶってブルーとロゼ(ピンク)とルージュのタブリエローブ(エプロンドレス)を着てガレット(焼き菓子)と葡萄酒の入ったパニエ(バスケット)を森の家に住んでいる病気のおばあさんに届けに行くシャペロンルージュと途中の道で出会った親切そうな悪いルー(オオカミ)の姿がデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、イラストは全て特色インクを使った高価な石版印刷で刷られているのでイラストの発色が良く大変きれいです。また、イラストには立体的なエンボス加工がしてありとても凝った作りです。また、本体の表面の下部にはRed Riding Hood(レッドライディングフード/赤ずきんちゃん)の表示があり裏面にはブルーフォンセ(ダークブルー)のChocolat Besnierのロゴがタンポン(スタンプ)で押されているので、おそらくショコラ・ベニエ社がイギリスからこちらのクロモを仕入れて販売促進用に使ったようです。シャペロンルージュのお話はフランス人のCharles Perrault(シャルル・ペロー)が1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がアンファン(チャイルド)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。古いクロモの価値はどんどん高くなりイラストのクオリティーが高いクロモはコレクターズアイテムとなっているようですが、こちらも120年以上も前に製作されていますがこんなにきれいなままで保存されているのが素晴らしいですね。見ているだけでシャペロンルージュのメルヘンの世界に引きずり込まれてしまいそうなとても可愛い価値ある素晴らしい一品です。

イラストの色褪せがほとんどなく発色が良く大変きれいです。写真のようにルーの体の部分に小さな破れが一箇所あります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが折れや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。