ドイツでおそらく1890年代に木材とブレッヒ(ブリキ)で製作されたプッペ(ドール)用のプッペンキュッヒェン・ゲシールヴァシェントゥッシュです。ヨーロッパのプッペンシュトゥーベン(ドールハウス)の歴史はとても古く、特にドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベール(家具)は製作技術が最も高かったのでとても人気があったようです。こちらは超レアなプッペのキュッヒェ(キッチン)用に無垢材で製作されてエルフェンバインヴァイス(アイボリーホワイト)に塗装されたGeschirr Waschen Tisch(ゲシールヴァシェントゥッシュ/食器洗い台)で、四本脚のしっかりと作られた本体の上部の奥には物が後ろに落ちないように厚い飾り板があり料理がしやすそうな広い本体の上部と飾り板には六つの正方形と直線がゴルト(ゴールド)でデザインされていてとても素敵です。また、本体の正面の中央には奥行きがある長いシュープラーデ(引き出し)がありますが、こちらも取っ手がゴルトでシュープラーデの正面にはゴルトで四角い枠がデザインされています。また、本体の下部には大きな鍋などの調理器具が沢山置ける棚があるのも便利ですね。また、本体の正面には二本脚のゲシールヴァシェントゥッシュが取り付けられていますが、ゲシールヴァシェントゥッシュの正面にはゴルトの取っ手が二つ取り付けられています。また、ゲシールヴァシェントゥッシュは本体にある木製のシーネ(レール)に沿って前後に出し入れできますが、取り外すこともできます。また、ゲシールヴァシェントゥッシュの上部には二つの大きな丸い穴が開けられていてブレッヒ製の丸い洗い容器が二つ入れられています。また、洗い容器は現代の型押しで成形されたものではなくて当時の職人が平らなブレッヒを切り出して溶接で作っていて大変凝った作りですが、お気に入りのプッペといっしょに飾るとオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体には洗い用のおそらく豚毛での木製のビュルステ(ブラシ)も付属しているのが嬉しいですね。また、ゲシールヴァシェントゥッシュの上部の板も無垢材ですが、乾燥からの反りを防ぐために裏面の三箇所に細長い板が取り付けられています。また、本体の下部の棚はおそらく1920年代頃に後から付け足されたもののようですが、とても使い勝手が良さそうです。おそらく当時のブルジョワのキンダー(子供)達のために製作されたもののようですが、職人が一つ一つ手作りで作っているようなので大変作りがいいですね。また、どこを見ても手抜きのない素晴らしい作りでうっとりと長い間見とれてしまいキンダーだった頃の楽しい思い出が蘇ってきそうですが、ドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベールはやはり作りがいいですね。母から娘へと代々受け継がれてきた素晴らしいプッペンキュッヒェン・ゲシールヴァシェントゥッシュはこれからも大切にしていきたい大変価値ある素晴らしい一品です。

エルフェンバインヴァイスの塗装の剥がれが少なくとてもきれいです。写真のようにシュープラーデの取っ手の向かって左側に小さな欠けが一箇所あります。ゲシールヴァシェントゥッシュの上部の板の左右の端に乾燥からの割れがありますが、裏面に元から反りを防ぐための板が補強されているので強度には全く問題ありません。虫食いの穴はありません。ブレッヒ製の洗い容器に多少のサビがありますが壊れはありません。木製のビュルステに多少の傷みがありますが壊れはなくとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが欠けや割れはなく古いものにしては大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。