ドイツでおそらく1910年代に木材で製作されたプッペ(ドール)用のプッペンキュッヒェン・コッホティッシュです。ヨーロッパのプッペンシュトゥーベン(ドールハウス)の歴史はとても古く、特にドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベール(家具)は製作技術が最も高かったのでとても人気があったようです。こちらは超レアなプッペのお屋敷のキュッヒェ(キッチン)用に無垢材と合板で製作されてエルフェンバインヴァイス(アイボリーホワイト)に塗装されたKochtisch(コッホティッシュ/調理台)で、本体の上部の調理がしやすそうな広いティッシュ(台)の下の正面には横に三個のシュープラーデ(引き出し)がありますが、奥行きもあるのでキュッヒェの調理器具が沢山入りそうです。また、シュープラーデには持ちやすそうな木製の取っ手が付けられているのもいいですね。また、本体の両側面の板はアールヌーヴォーの曲線的なフォルムでデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体の下部にも広いティッシュがありとても作業がしやすそうに作られているのがいいですね。また、ほとんど無垢材で作られていますが、背面の上部の板は無垢材の反りなどを防ぐために合板が使われているようです。おそらく当時のブルジョワのキンダー(子供)達のために製作されたもののようですが、職人が一つ一つ手作りで作っているようなので大変作りがいいですね。また、本体は元はブラウンに塗装されていたようですが、おそらく1950年代頃にドイツ人がエルフェンバインヴァイスに塗装し直したようです。また、プーペ用のコッホティッシュですが、キュッヒェの調味料などのシュランク(引き出し棚)としても使えそうです。どこを見ても手抜きのない素晴らしい作りに見とれてしまいキンダーだった頃の楽しい思い出が蘇ってきそうですが、ドイツのプッペンシュトゥーベン用のメベールはやはり作りがいいですね。母から娘へと代々受け継がれてきた素晴らしいプッペンキュッヒェン・コッホティッシュはこれからも大切にしていきたい大変素晴らしい一品です。

エルフェンバインヴァイスの塗装の剥がれが少なくとてもきれいです。シュープラーデに欠けや壊れはなくとてもきれいです。写真のように背面の下部のティッシュの左端に少し欠けがありますが塗装前のもので強度には全く問題ありません。虫食いの跡はありません。その他、多少の傷みや汚れなどありますが壊れはなく古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。