ドイツのライプツィヒから南西へ120mほど行ったチェコとの国境に近いテューリンゲン州のリヒテの町で1840年にChristoph(クリストフ)とPhilipp Heubach(フィーリプ・ホイバッハ)のゲブルダー(兄弟)が創設したGebruder Heubach(ゲブルダー・ホイバッハ)社が、おそらく1906年にビスキュイ(ビスク/磁器)とコンポジションで製作したブランシュボネ&ローブ・ジュンヌフィーユビスキュイプーペです。ゲブルダー・ホイバッハ社は、お皿や装飾品などの磁器製品の製造をしていたようですが、おそらく1880年代頃からビスキュイプーペ(ビスクドール)の製作を始めたようですが、顔の美しさで有名なドレッセル玩具会社のCuno & Otto Dressel(クノ＆オットードレッセル)のビスキュイプーペの頭もゲブルダー・ホイバッハ社が製作していたようです。ビスキュイプーペは19世紀のヨーロッパのブルジョアのマドモアゼルやマダム達の間で流行ったプーペ(人形)で、フランス語のBiscuit(ビスキュイ)はお菓子のビスケットと同じように「二度焼き」が語源のようです。こちらは超レアな大変美しいモヘアのシュヴーブロン(ブロンドヘア)にロゼパール(ペールピンク)のお花飾りとブルーパール(ペールブルー)の縁取りとドンテル(レース)のリューシュ(フリル)飾りがある絹のような光沢のあるブランシュ(ホワイト)の生地のボネ(ボンネット)をかぶって襟と袖口と裾に豪華なブランシュのドンテルのリューシュ飾りの付いたボネとお揃いのブランシュの生地のローブ(ドレス)を着たジュンヌフィーユ(少女)のビスキュイプーペで、ガラス製のつぶらな美しい灰色がかったブルーの瞳と歯並びが美しい淡いルージュ(レッド)の口元で優しく微笑んだ表情がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、胸元のブルーパールの縁取りがあるブランシュの襟に付けられた淡いポープル(パープル)のお花飾りも素敵ですが、ローブのタイユ(ウエスト)で結んだブルーのリュバン(リボン)もとても可愛いですね。寝かせてあげると瞼を閉じますが、こんなに大きくて可愛いつぶらな瞳のジュンヌフィーユビスキュイプーペはなかなかお目にかかれないですね。また、ローブの下には襟ぐりと裾にドンテル飾りが付いたブトンプレッシオン(スナップ)で留めるブランシュのシュミーズと裾にドンテル飾りの付いたキュロット(ショーツ)を履いているのもオシャレです。また、足にはブランシュのショセット(ソックス)にブランシュの革のようなショスュール(靴)を履いているのも可愛いですね。また、頭はビスキュイ製で胴体と腕と脚はコンポジション(おがくずや粘土などをニカワなどで混ぜ合わせて型抜きしたもの)で作られていますが、頭と胴体と腕と脚がジョイントされているので色々なポーズが楽しめるのがいいですね。また、後頭部にはG. H. Made in Germany 1906 3/0の大変素晴らしいエンボスがあります。顔の可愛いプーペの製作で有名なシモン&ハルビッヒ社やアルマン・マルセイユ社のビスキュイプーベと同様にゲブルダー・ホイバッハ社のビスキュイプーベも大変美しい顔ですが、優しそうな美しい灰色がかったブルーの瞳に見つめられているだけでどんどんとビスキュイプーペの世界へ引きずり込まれて行ってしまいそうな超レアな大変価値ある一品です。

ビスキュイの頭部に欠けやヒビはなく大変きれいです。顔の彩色の剥がれはほとんどなく瞳にキズもなく大変きれいです。目は開閉しますがたまに頭の中の目を開閉する重りが何かに引っ掛かって開閉しなくなることがありますが、頭を軽く揺すると引っ掛かりが外れて開閉しだします。写真のようにコンポジションの腕や脚や胴体に乾燥からの表面の彩色部分の小さなヒビ割れが僅かにありますが、気になる欠けや割れはなくとてもきれいです。また、指に欠けはありません。シュヴーブロンのカツラはおそらく1930年代のもののようで劣化がほとんどなく大変美しい髪で頭に固定されています。シュミーズはおそらくオリジンヌ(オリジナル)で多少の傷みがありますがほつれや破れはなくとてもきれいです。ボネとローブとキュロットとショセットとショスュールは、おそらく1960年代のもので僅かな傷みがありますがほつれや破れはなく大変きれいです。その他、多少の彩色の剥がれや傷みや汚れなどありますが大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。