パリから南東へ70kmほど行ったサランの町でモニヨッテとグレンジャーが1857に創設したSalins(サラン)窯で、おそらく1880年代から1890年代頃に製造された陶器製のロゼローズ・バルボティーヌアシェットです。こちらは大変レアなフランスでBarbotine(バルボティーヌ/泥状の粘土)の名前で有名な錫釉(すずゆう)の色絵陶器のAssiette(アシェット/皿)ですが、錫釉(すずゆう)の陶器は15世紀末から16世紀半ば頃にイタリアで製造されて有名なマジョリカ陶器の技法がフランスに渡ってバルボティーヌ陶器として製造されたもののようです。イヴォアール(アイボリー)の本体には、ロゼのローズの花と葉が立体的なルリエフ(レリーフ)で描かれていてエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、底面にSalins(サラン)のエンボスがありませんが、全く同じロゼローズのデザインのアシェットにSalinsのエンボスがあるものもあるので、こちらはサランのアシェットに間違えないようです。このまま飾っても素敵ですが、デセールアシェット(デザートプレート)など工夫次第でまだまだ色々と楽しく使えそうな一世紀以上も前に製造されたロゼのローズのお花のオシャレで可愛いとても価値ある一品です。

ロゼのローズのお花の発色が良くとてもきれいです。長年の使用から多少の釉薬部分の剥がれがあります。写真のように裏面の中央に直径3ミリ位の小さな欠けが一箇所あります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが欠けやヒビはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。