フランス北部のベルギーとの国境沿いのノール県のCambrai(カンブレ)の町で1826年に創設されたCasiez & Bourgeois(カシエズ&ブルジョワ)社が、おそらく1890年代にチコリーの広告宣伝ように制作した厚紙製のシャペロンルージュ&ルー・クロモです。チコリーはビタミンや鉄分を含むほろ苦いハーブの一種の西洋トチノキの新芽のことで、フランスではカフェ(コーヒー)の入手が難しく高価だった時代にカフェの代用品として飲まれていたようです。こちらは超レアなLe Petit Chaperon Rouge(ル・プティシャペロンルージュ/赤ずきんちゃん)のクロモ(トレーディングカード)で、本体の表面にはCasiez & Bourgeois a Cambrai(カンブレのカシエズ&ブルジョワ) Chicoree Nouvelle(新製品のチコリー) Le Petit Chaperon Rougeの文字と亜麻色の髪にルージュ(レッド)のシャペロン(頭巾)をかぶってブラン(ブラウン)とルージュとブランシュ(ホワイト)のローブ(ドレス)を着て、左手には大きな丸いガレット(焼き菓子)を持って右手にはブール(バター)が入ったポ(ポット)を抱えて森の家に住んでいる病気のおばあさんに届けに行く途中の道で親切そうな悪いルー(オオカミ)に出会ったシャペロンルージュの姿がデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、イラストのクオリティーがとても高いですが、表面の周りは高価なオール(ゴールド)でデザインされているのも素敵です。また、イラストは全て特色インクを使った高価な石版印刷で刷られているのでイラストの発色が良く大変きれいです。また、裏面にはChicorees Extra Superieures(特選のチコリー) Recommandees par leurs qualites hygieniques(衛生的なのでお奨めです) Maison fondee en 1826(1826年に創業)などと書かれているようです。ル・プティシャペロンルージュのお話はフランス人のCharles Perrault(シャルル・ペロー)が1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がアンファン(子供)達のために可愛くリメイクして有名になったようです。古いクロモの価値はどんどん高くなりイラストのクオリティーが高いクロモはコレクターズアイテムとなっているようですが、こちらも120年以上も前に製作されていますがこんなにきれいなままで保存されているのが素晴らしいですね。見ているだけでル・プティシャペロンルージュのメルヘンの世界に引きずり込まれてしまいそうな超レアな大変可愛い大変素晴らしい価値ある一品です。

イラストの色褪せがほとんどなく発色が良く大変きれいです。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが折れや破れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。