パリ郊外のEssonne(エソンヌ県)のMassy(マッシー)の町にあるJ. P. M.(Jouet Paris Massy/ジ・ペ・エム)社が、おそらく1940年代に製造したぬいぐるみのイヴォワールベージュレーヌ&ブルーウイユ・テディウルスです。J. P. M.(ジ・ペ・エム)はフランス語でJouet Paris Massy(ジュエ・パリ・マッシー)のことのようで「パリのマッシーのおもちゃ」という意味のようです。また、ジ・ペ・エム社の工場はやはりパリ郊外のSeine(セーヌ県)とOise(オアーズ県)にもあったようです。Teddy Ours(テディウルス/テディベア)は、1902年にアメリカのルーズベルト大統領が熊狩りで傷を負ったウルス(ベア)を逃がしてやったことが評判になったことで、ニューヨークの玩具店がドイツから輸入したウルスのぬいぐるみにルーズベルト大統領の愛称のTeddy(テディ)の名前を付けて売り出したのがテディウルスの始まりのようですが、世界で最初にウルスのぬいぐるみを製作したのはドイツのシュタイフ社のようです。こちらは超激レアなJ. P. M.社が初期の頃に製造したエクリュ(生成り)のアラベスク模様のドンテル(レース)のリュバン(リボン)を首に結んだイヴォワールベージュ(アイボリーベージュ)のレーヌ(ウール)で作られたテディウルスで、つぶらな琥珀色とノワール(ブラック)のガラスの目とノワールの糸で刺繍されたお鼻の下のお口で優しく微笑んでいるような表情がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、耳の内側はロゼ(ピンク)のレーヌで作られているのも可愛くて素敵ですね。また、初期の製品なので顔が平べったく鼻スジも低いですが、この平べったい顔がJ. P. M.社のテディウルスの特徴のようです。また、1940年代の終わり頃から1950年代になると平べったい顔が少し厚くなり鼻スジも高くなっていくようです。また、前脚と後脚が太い針金でジョイントされているのでいろんなポーズが付けれますが、体の中は全て硬いザクザクとした木毛が詰められているようです。また、布タグはありませんが、おそらく首にはMarque Deposee(登録商標) Le Jouet Paris Massy(ラ・ジュエ・パリ・マッシー) Seto, J. P. M.と書かれた厚紙製のクール(ハート)形のタグが付けられていたようです。また、ジ・ペ・エム社のテディウルスの特徴は耳の外側と内側が対照的な色合いのようですが、イヴォワールベージュとロゼの耳はフランスらしくてとてもオシャレですね。また、ジ・ペ・エム社のテディウルスは、フランスでも大変人気が高いので入手が中々難しくなってきているようです。フランスから遥々やって来た可愛いテディウルスが傍にいるだけで気持ちが優しく癒されてしまいそうな超激レアな大変素敵な一品です。

大変古い時代に製造されたテディウルスなので写真のように頭の上部と左右の前脚の上部のイヴォワールベージュのレーヌに擦り切れからと経年劣化で自然にできた生地の裂けが少しあります。ガラスの目にキズや欠けやヒビはなく大変きれいです。お鼻とお口の刺繍に多少の傷みががありますがほつれや切れはなくとてもきれいです。頭と胴体と脚の木毛の欠損はなく平べったい顔は製造時からのものです。ジョイントに壊れはありません。リュバンは後から付けられたもので多少の傷みがありますが破れはなくとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますがほつれや破れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。