イギリスでおそらく1880年代に製作されたガラスと木製のレッドライディングフード・マジックランタンウッドフレームスライド2セットです。Magic Lantern(マジックランタン)はおそらく17世紀にドイツのイエズス会の学者のAthanasius Kircher(アタナシウス・キルヒャー)が考えだした娯楽用のレンズを内蔵した画像プロジェクターのようで、光源はガソリンやガスや灯油を使ったランタンを使用していたようなのでプロジェクターには煙を外へ出す煙突があったようです。暗い部屋の壁に絵や写真が大きく投影されるので当時の人々は大変驚いたようで「魔法のランタン」と呼んでいたようです。こちらは超激レアなマジックランタンに使用するために製作された無垢材の板の中央を丸く切り抜いて丸いガラスにRed Riding Hood(レッドライディングフード/赤ずきんちゃん)のお話のシーンを透明な絵の具で直に描いてから同じサイズのガラスで彩色面を挟んで金具で固定したウッドフレームのスライドの2個セットで、右上に1と書かれたNo.1のシーンのスライドには、マミーから森の家に住んでいる病気のおばあさんにバスケットに入った焼き菓子と葡萄酒を届けに行くようにいわれているレッドライディングフードのイラストが描かれていますが、傍で床にうずくまっている猫も可愛いですね。また、右上に7と書かれたNo.7のシーンのスライドには、おばあさんを食べてからナイトキャツプとナイトウェアを着ておばあさんになりすましてベッドに寝ている悪いウルフ(オオカミ)を本当の病気のおばあさんだと思って優しく語りかけているレッドライディングフードのイラストが描かれていてどちらもオシャレで可愛くてとてもいい感じです。レッドライディングフードのお話は、フランス人のシャルル・ペローが1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にグリム兄弟がチャイルド達のために可愛い童話としてリメイクしてから有名になったようです。飴色になってとてもいい感じのウッドフレームに入ったガラスのスライドはイラスト面が大きいので窓に立て掛けるとレッドライディングフードの絵がステクドグラスのように鮮やかに浮き上がりとても可愛くてインテリアとしてもいいですね。当時のイギリスのブルジョワの家のチャイルド達がマミーから「赤ずきんちゃん」のお話を聞きながら目を丸くして見入っていた可愛い姿が想像できそうな超激レアな大変貴重な一品です。

スライドのイラストの発色が良く大変きれいです。ウッドフレームに欠けや破れはなく飴色になった木肌がとてもいい雰囲気です。その他、多少の傷みや汚れがありますが、スライドに欠けやヒビはなく古いものにしては大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。