アメリカでおそらく1920年代にタディングレースとカンブリックの生地で制作されたタディングレース・ピンク&ホワイトベビークリブブランケットです。タティングレースは「シャトル」と呼ばれる手のひらサイズの舟形の糸巻きを使って小さな結び目を連続して作っていくことで模様を仕上げていくレース編みのことで、17世紀末のイングランド女王のメアリー2世が熱心に愛好したことで有名です。また、Cambric(カンブリック)の生地は、表面をつや出し加工した光沢のある上質の綿織物のことで、1595年にフランス北部の都市のカンブレーで最初に作られたようです。こちらは大変レアなまるでシルクのようなホワイトとピンクのカンブリックの生地にタティングレースを縫い付けて作られたベビー用のクリブブランケットで、本体にはホワイトの極細の糸で小さな輪っかをつなぎ合わせて作られた繊細で複雑なアラベスク模様で編まれたタティングレースが縫い付けられていてエレガントでオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、本体の周りにはピンクのカンブリックの生地がフリルのように縫い付けられているのも素敵ですね。アメリカでは1930年以降に製造されたフラワー(小麦)やシュガーや飼料などのフィードサックに使われたファブリックで作られた可愛いプリント柄のベビーのキルトクリブブランケットが有名ですが、こちらはそれ以前に制作されたクリブブランケットなのでアメリカらしいポップな可愛さよりもとてもフランスのようなエレガントな可愛さのベビークリブブランケットのようです。ベビーが楽しい夢を見ながらぐっすりと眠れるようにと願いながら作られたベビークリブブランケットは、当時のマミーのベビーへの優しい愛情がぎっしりと詰まった大変可愛い一品です。

レースと生地に色焼けや色褪せは少なく発色が良くとてもきれいです。写真のようにレースにほつれた部分が多少あります。生地に擦れからの破れが多少あります。その他、多少の傷みや汚れなどありますが古いものの状態が良くきれいで、Good Conditionです。