フランスにあるLe Rapide(ル・ラピッド)社が、おそらく1900年代にロタン(ラタン)と板とソワ(シルク)の生地で製作されたブドワール・ロタンオジェ・クチュールコフレです。こちらは超激レアなおそらくBoudoir(ブドワール/淑女の私室)で使われていたCouture Coffret(クチュールコフレ/裁縫箱)のようですが、ブドワールは貴族の婦人が書き物をしたりお化粧や着替えをするための部屋で、夫でさえ入室できない婦人専用のお部屋のことのようです。ロタンのオジェ(編み込み)で作られた楕円形に近い八角形のフォルムのクチュールコフレのフタはロタンのヒンジで開け閉めできます。また、フタの上部の中央にはロタンの持ち手が付けられていてとても素敵です。また、フタと本体の正面には格調高い大変素晴らしい留め具が付けられていますが、フタの留め具はお花模様にエンボスがあるメタル製のリベットで留められた革製で先端にはConfortable(コンフォルターブル/快適な)のエンボスがあるメタル製の金具が取り付けられています。また、本体の留め具は革にメタル製の金具が取り付けられていますが、ルソール(バネ)で上下に動くつく棒をフタの留め具の穴に通して下ろすとフタはしっかりと閉まります。また、フタの革の留め具には煙を吐いて走る機関車のイラストとLe Rapideのロゴのエンボスがありとても素敵です。また、つく棒にはおそらくByc S. C. D. C.のエンボスがあります。また、細いロタンの目の詰まった美しい手の込んだ編み込みも大変素晴らしくてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、本体の左右の側面にはロタンの輪っかの持ち手がありとてもオシャレです。また、フタを開けるとフタの裏側には光沢のあるブルーヴェール(ブルーグリーン)のソワの生地が貼られていますが、中はふかふかの綿が詰められていて中央には縦にシゾー(ハサミ)などを留めるためのブルーヴェールと光沢のあるベージュのサンテュール(ベルト)が付けられているのも便利です。また、サンテュールなどはクレーム(クリーム)色の包みブトン(ボタン)で留められていてとても作りがいいですね。また、本体の内側もブルーヴェールのソワの生地が貼られているのもオシャレでとても凝った作りです。とても使い勝手のいいクチュールコフレですが、クチュールコフレ以外にもBijoux Coffret(ビジューコフレ/宝石箱)として使ってもとてもいいですね。また、ミニョネットといっしょに飾っても素敵です。当時のフランスのクチュールコフレは使いやすいだけでなく装飾品のように美しくてオシャレなのでお部屋にあるだけで素敵ですね。マリー・アントワネットやポンパドール夫人達が私的な時を過ごしたロココ調のブドワールの雰囲気でエレガントでオシャレに使いたい大変素敵な一品です。

ロタンに多少の欠けがありますが飴色になった編み込みがとてもきれいです。留め具とヒンジに壊れはなくフタはスムーズに開け閉めできます。持ち手と左右の輪っかを留めているロタンが壊れたのでラフィアのような紐で修理されています。写真のようにベージュのサンテュールの四分の三位が欠損しています。中のソワの生地に擦り切れた箇所が少しありますがきれいです。虫食いの跡はなくとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが壊れはなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。